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総合/2005.05.16/JR脱線負傷者らの「ブログ」急増 ネットで励まし - 神戸新聞ニュース

尼崎JR脱線事故をめぐり、インターネット上の日記形式サイト「ブログ」が急増している。JR西日本の責任を問うものや鉄道の安全性に関する意見など、市民や鉄道ファンらが発生直後から次々と立ち上げた。日がたつにつれ、生々しく体験を振り返ったり、救助に当たった近隣住民らに感謝する負傷者をはじめ、事故をより身近に受け止めた人たちも目立つようになった。各サイトには読者からの感想も寄せられ、共感の輪が広がっている。(石沢菜々子、長尾亮太)


 福知山線事故の被害者の方々の一部もブログを書き始めているという。

 疑問なのはこの話題の報道の仕方である。

 「急増」という言葉を使っているが、どれほど福知山線事故関連のブログがあるのだろうか。福知山線に関する話題を扱ったエントリーは非常に多いが、福知山線をきっかけにブログが急増したなどというデマを吹聴するのはいかがなものか。

 個別の直接体験を語るブログも出ているのだろうが、事故に直接関わったというエントリーは残念ながら僕は見たことはない。鉄道事情に明るいエントリーをいくつか見かけただけである。

 福知山線事故に関しては、JR西日本への批判が多いが、それ以上に多いのはマスメディアの報道姿勢に関するものだ。それについてこの記事は一切触れておらず、取材不足かものごとの一面しか切り取っていないかのどちらかであるわけで、媒体として信用できるレベルにない。

 米国では9.11を機にブログが広がったが、日本でこの波を感じる機会はない。福知山線事故で広がっている波があるとすれば、マスメディアの横暴への批判に違いない。この意味でブログの存在の評価をしている意見もたまに見かける。

 事故体験者のブログがもっと広く知られる体系になっていないのが残念だが、もしもこれが可能になるのならば、信用できない報道機関の流す情報よりもより生々しい事故の様子を知ることができるわけだ。当該ブログに信用がおけるかどうかは永遠に残る課題であるが――そういえば「つぐみ、どこにいるの?」もまたそうした問題を投げかけたブログだった――、それは報道機関の報じる内容だって違いはない。
 検索ワードランキングなどがあるけれども、事故当事者のブログが表に出てこないこの状況を見ると、誰もが興味をもつ話題をすくいあげる仕組みがまだまだ不完全であるなあと感じる。



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総合/2005.05.16/JR脱線負傷者らの「ブログ」急増 ネットで励まし - 神戸新聞ニュース



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■『人間喜劇』目次
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 福知山線事故に関するブログのエントリーで目にするのは、JR西日本の批判よりもメディアに対する批判の方が多いような気がしている。

 批判されるべき対象がマスメディアで一切批判されないという状況では、個別メディアとしてのブログがその批判対象を批判する声が大きくなるのは当然だろう。僕自身、JR西日本よりも報道陣に対しての怒りの方が強い。マスメディアの福知山線報道に触れるにつけ、不愉快さは増していく。

 何に対して不快に感じるのかという視点を整理してくれるブログのエントリーがこちら。

愛欲の解毒場:JR西日本脱線事故の報道

 これを見ながら感じたのは、報道が悪役を仕立て上げているということだ。

●運転士
●車掌
●被害者
●被害者家族
●社員のボウリング大会など
●事故車両の客車に乗っていた運転士
●テレビに見るレポーター
●報じたことへの責任



●運転士
 事故直後にクローズアップされたのは、事故車両を運転していた運転士。過剰なスピードでの運転という過失からは逃れられないし、責任の一端は確かに担わねばならない人物だ。

 しかし、彼のプロフィールは必要だったのだろうか。結局故人となって現場から運び出されるわけだが、それ以前から彼のプロフィールは公に報道されていた。事故の原因をつくった人間だとしても、生死のわからぬ人間に対して一定の礼を守らぬ報道には不快感がつきまとう。

 また、社内での経歴などが明らかになるのは肯けるのだが、なぜに性格や人となりが必要だったのだろうか。報道では、彼の経歴や性格を前提に、事故原因を推測していた。しかし、そんな心理的側面を前提にして説をたてても、はじき出した答えはあやふやなものばかりになる筈だ。

 結局は運転士をダシにしてJR西日本という悪役を作り出そうとしたにすぎず、死者に対しての非礼は行き過ぎたものと感じられる。



●車掌
 報道は、現在警察で供述をする車掌の家族にまでインタビューを行っていた。

 もちろん今回の事故と社員の家族とに関連は全くない。今回の件で、社員の家族は心を痛めているだろう。全く関係のしようもなかったことに責任を感じる方もいるかもしれない。そうした方々の声をうかがうことで何をえようというのか。

 社員に代わり謝らせて注目を浴びようとしたのだろうか。ここでもその倫理のなさに閉口する。こうした報道はこれまでも繰り返されたものだが、いい加減に自粛したらどうなのか。そうした報に接する立場としても複雑でやりきれない気分になる。

 仮に、こうした立場の方がいることを世に知らせるというメディアの役割に注目するとしても、事故後間もないこの段階でインタビューを決行することには肯けない。時間が経つのを待ってからというのが倫理というものではないだろうか。



●被害者
 事故の様子を知りたいと思うのは第三者にとって当然のことと思う。そうした欲求に答えて、多くの被害者にインタビューがなされ、事故当時の生々しい様子がうかがえる。この点では報道の役割は果たされており、僕はそれを感謝している。

 だが、報道に登場する被害者の多さに疑問を感じる。一つのテレビ番組で3,4人の被害者が登場するのを目にする。テレビ局は全国ネットの他にも地元のテレビ局があろう。メディアは新聞、雑誌、ラジオとある。これらにそれぞれ所属する記者達が、被害者の声を報道してくれるわけだが、その数はいかほどに及ぼうか。複数のメディアから同じ質問を投げかけられる事態が頻出していることが予想される。

 被害者の中には、そっとしておいてほしいと思う方もいるだろう。報道する側がこれだけの多数にのぼれば、人の気持ちに土足で踏み込むような態度の人間がいても不思議はあるまい。そうした事態があったうえでの、メディアに登場する被害者ではないのかと僕は想像する。こう考えると、一定の協定があってしかるべきではないかと思う。



●被害者家族
 怒りを露わにする家族を多く目にする。彼らは顔を隠されない。

 一般人の顔をこんなに簡単にマスメディアにのせてよいのだろうか。もちろん事前に了解はとっているのだろうが、事故直後の現段階で、冷静でいられないご家族も多かろうと思う。そこを冷静に報道することこそがメディアの倫理じゃないだろうか。

 また、JR西日本への怒りの声ばかりを見かけるが、報道への怒りの声などはないのだろうか。悲しみの様子だとか、怒りをおさえた様子だとか、そういう風景は見かけない気がする。インパクトがあるものを選んで報道されているように感じる。そこには悪役をつくり、よりインパクトある報道で自社媒体に注目を浴びようとする姿勢を感じる。



●社員のボウリング大会など
 事故後1週間して槍玉にあがった、ボウリング大会。基本的に非はJR西日本の社員にあるわけだが、その取り上げ方の凄まじさ。そんなに重要なニュースなのだろうか。

 視聴者・読者のJR西日本へのマイナスイメージを扇動しているだけのように感じられる。重要なのは、事故によりどういった被害があり、どういった原因があり、どうすれば改善できるのかという点。社員の動向などがトップニュースで扱われる必要はない。



●事故車両の客車に乗っていた運転士
 結局職場に向かった運転士たちだが、事故当時の管理者との会話が公開されている。

 テレビでは、この会話の様子を、感情込めて再現するVTRが目立った。これなどは悪意以外の何者も感じない。管理者が人命をちっとも気にしない無機質人間であるという演出を行っているとしか思えない。すべてはJR西日本という悪役企業を仕立て上げるためである。

 前回のエントリーで述べたとおり、批判対象を冷静に見極め、批判と改善を考えなければならないと思っているのだが、この報道などはそうした冷静さが感じられず、報道の役割が放棄されたとしか思えない。



●テレビに見るレポーター
 記者会見の様子を目にするが、記者の語気の荒さには不快感が残る。レポーターやキャスターも、怒りを露わにした語気でニュースを読み上げ、感想を一言口にするが、冷静に見て適切でない批判をよく目にする。

 上述のように、重要なものが何かを見極め、それを冷静に報道することこそがメディアの役割であろう。怒りの様子は被害者周辺の様子を見れば充分伝わるものであるし、第三者であるメディアが怒りを露わにしていても、それは演技しているものとしか映らない。



●報じたことへの責任
 JR西日本が最初の会見で置き石説を唱えたが、後にそれは間違いだったとわかった。このことに対して、報道はいっせいにJR西日本を糾弾した。しかし、JR西日本の発表を鵜呑みにして報じたメディアも、そのことについて責任は持つべきだと思う。

 僕でさえ、最初の会見内容は割り引いてみた。メディアはそうした疑いを挟まず、会見の内容を垂れ流した。ただ垂れ流しておいて、後で手のひらを返すというのはおかしなことだと思う。誤った情報を報道してしまったのなら、それを報道したことを自ら恥ずべきだし、謝罪もあって然るべきだと思う。

 特に事故原因については二転三転して、様々な推測が垂れ流されたが、誤った推測を広く報じてしまったことへの反省が全く見られないのは、メディアとしてのポリシーを疑う。



 以上のような「悪役の仕立て上げ」を象徴するのが以下の報道のように思う。

JR西の新幹線や在来線、停止位置ミス相次ぐ (読売新聞) - goo ニュース

 電車の停止位置がずれることなど、そう珍しいことでもないだろう。それをこうも仰々しく報じるというのは解せない。1ヶ月前ならば確実に報じられなかったことがこうも大きく報じられるのは違和感がある。

 そして、「悪役の仕立て上げ」がもたらしたものが以下の結果ではないだろうか。

運転士や車掌などへの嫌がらせ、事故後70件…JR西 (読売新聞) - goo ニュース

 あくまでも非があるのはJR西日本。しかし、70件もの嫌がらせを引き出したものは報道に他ならないと思う。

事故以降も後を絶たないオーバーランや不祥事も影響しているとみられている。


 今までしていなかったオーバーランの報道をして、悪役づくりを熱心にして起こった結果だろう。メディアの厚顔無恥ぶりにも呆れたものだ。ふつうに考えて、こんな筋違いの怒りを筋違いの行動にうつす人間がこうも頻発するとは思えない。メディアがJR西日本への怒りを助長したと考えられるのだ。



 下記のブログでは、上記のような「ヒール」作りを否定し、自己の解明がどういうものであるべきかのモデルケースを示していらっしゃる。むしろ報道とはかくありたい。

カトラー:katolerのマーケティング言論:JR西日本、悪玉論を排す



 目に見える部分での報道への批判を書いたが、目に見えない部分での批判もネット上ではよく見かける。ヘリコプターだとか、事故現場への密集だとか。こちらは天漢日乗さんに詳しい。

 直接の関係はないものの、下記のような事件を生む風土がメディアにはあるという点は到底看過できない。

フラッシュ誌の契約記者ら、住居侵入で逮捕 (読売新聞) - goo ニュース

 たまたまJR西日本のニュースを席巻させている最中だったから、目立たないニュースとして終わったが、何をしても許されるという意識、読者を甘く見る意識に見られる傲慢さを自己批判しない限り、メディアを信用はできない。こうした批判は新潟中越震災のときのものが繰り返されている部分がある。構造的に問題があるのはメディアも同じであって、改善しないうちは公共性など標榜する権利はない。



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愛欲の解毒場:JR西日本脱線事故の報道
カトラー:katolerのマーケティング言論:JR西日本、悪玉論を排す
D.D.のたわごと:福知山線事故(3)…マスコミにもの申した?番組
la3751の日々雑感:ブログが変える世論形成の仕組み。
かきなぐりプレス:マスコミ報道が暴行被害を生んでいる
竹林:マスコミのお仕事
やの日記:やっと気づいたのかよ
日々是口実:存在とは純粋な喜びである。悲しみとはすべて影の如きものにすぎぬ。悲しみは移ろい行き、 いつしか果ててしまう。(法の書 アレイスター・クロウリーより。)



■関連リンク
JR福知山線脱線事故
 ※福知山線列車事故関連のニュースを逐一ピックアップしているブログ
天漢日乗
 ※福知山線列車事故関連でメディアに報道されない点も2ちゃんねるなどからピックアップしているブログ



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社会と私(6) 進歩しない遺族の報道
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■『人間喜劇』目次
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 福知山線事故について、報道によりJR西日本の過失や不祥事が次々と顕わになっている。

 しかし、冷静に考えて、どこまでが不祥事でどこからが批判対象でなくなるのか疑問に感じる部分がある。この意味で、メディアは既に報道機関の役割は果たしていない。批判のための批判しかしない報道機関に用はない。これについては稿を改めて論じたい。

 さて、以下の順で今回の事故を追ってみたいと思う。

●福知山線事故の経緯
●JR西日本の事故直後の対応
●事故原因――科学的見地
●事故原因――組織的見地
●復旧(国交相の失点)
●JR西日本社員の対応――事故車両に乗っていた運転士
●JR西日本社員の対応――レジャー
●会見での虚偽報告



●福知山線事故の経緯
2005年04月25日(月)15:49
「U」字形 ひしゃげ大破 JR快速脱線、横転 (産経新聞) - goo ニュース
2005年04月25日(月)15:49
快速脱線37人死亡 尼崎のJR福知山線 (産経新聞) - goo ニュース

二十五日午前九時十八分ごろ、兵庫県尼崎市久々知のJR福知山線尼崎-塚口間で、宝塚発同志社前行き快速電車=七両編成、高見隆二郎運転士(23)=の前四両が脱線し、線路脇で乗用車と衝突、先頭と二両目の車両は線路から約六メートル離れたマンションに激突した。


2005年04月26日(火)08:43
衝撃の1日 JR列車脱線事故ドキュメント(25日) (朝日新聞) - goo ニュース

 JR西日本、兵庫県、政府の対策本部設置はそれぞれ早いものといえるだろう。阪神大震災の轍を踏まなかったことは評価してよいと思う。JR西日本も11時過ぎには1回目の会見を開いており、迅速だと思う。こうした事後の対策については、今後も継続してほしいと思う点である。



●JR西日本の事故直後の対応
 ただ、JR西日本の謝罪会見には真摯さが足りないと思った点には引っかかるものがあった。

社会と私(4) 企業が謝罪するとき

 置石の可能性や脱線する可能性がある速度もここで述べられ、後に非難されることになる。

2005年04月26日(火)03:06
JR西、社長ら安置所訪問 「置き石説、開示の一環」 (朝日新聞) - goo ニュース

 結果論のように聞こえるかもしれないけど、置き石説なんて、可能性を示唆して非難が真正面から来るのを受け流すための姑息なものと感じたし、脱線の可能性がある速度が130km/hというのも、会見の様子をVTRでよく見ていたら、「弊社の計算では」というような前置きをしていたから、都合のよい数字を出していることは何となくわかっていた。

 少なくとも、この時点で発表したことは、いずれも可能性を示唆するものにとどまり、一次情報――会見の様子――を見ていたら、何割か割り引いて見るべきものというのは察するべきものと思う。むしろ、情報開示量が意外にも多かったことに僕は驚いたほどだ。対策本部などという名称のものは、常に会議中で、何の進展も見せず、何も情報を発信しないものというイメージがあるからだ。

 不確定な情報といえども、情報開示を心がけた点も評価されて然るべしだし、今後も踏襲されてよいものと思う。ただし、何でもかんでも発表するのは控えるべきだ。特に今回の報道を見ると、不当な情報伝達がなされる恐れが高いので、無闇な情報の垂れ流しは避けるべきだろう。情報開示が基本だが、このあたりのバランスは難しいものがある。



●事故原因――科学的見地
2005年04月26日(火)07:33
脱線事故なぜ起きた? 運転・車両、惨事の芽は (朝日新聞) - goo ニュース

 事故の救出は遅々として進まず、29日までかかるわけだが、ここではその話題は割愛させていただく。

 救出作業と並行して、事故原因に焦点が当たりだす段階が次の日から。最初は科学的な側面に注目が集まる。

・列車のスピードが何km/hまで出ていたのか
・置き石の可能性
・車両構造――旧式ATS(自動列車停止装置)が採用されていたこと、ステンレス製の軽量化された車体

 そんな中、前述の会見発表についての謝罪が行われる。

2005年04月29日(金)21:51
脱線事故置き石原因説でJR西が陳謝 「予断与えた」 (朝日新聞) - goo ニュース

 謝罪するほどでもないという印象を僕は受けているのだが、事故から四日も経ち、報道陣の噛み付き方はすごい勢いだったから、それに押された側面もあろう。

2005年04月30日(土)03:03
事故調「右車輪浮き脱線」 尼崎事故、横転に近い状態 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月02日(月)14:30
運転士が非常ブレーキ、転覆脱線誘発か…尼崎事故 (読売新聞) - goo ニュース
2005年05月06日(金)14:48
非常ブレーキをカーブ直前に操作、脱線原因と断定 (読売新聞) - goo ニュース

 事故の様子も解明されだした。テレビのニュースにおけるCG再現は、事故の様子をわかりやすく示してくれて、これは評価すべき点。

2005年05月01日(日)11:20
線路付け替えでカーブが急に 尼崎・JR脱線事故 (朝日新聞) - goo ニュース

 上記の事実も取りざたされていたが、これは結果論だろう。責めても仕様があるまいと思う。



●事故原因――組織的見地
 科学的見地からの事故解明よりも報道が注目したのが、運転士の経歴や心理とJR西日本の組織の内情だった。

2005年04月26日(火)17:07
オーバーランは40メートル 運転士と車掌、8メートルに口裏合わせ (産経新聞) - goo ニュース

兵庫県尼崎市のJR脱線事故で、脱線した電車が事故直前に伊丹駅でオーバーランした距離は、JR西日本が当初発表した八メートルではなく、実際は車両二両分に相当する約四十メートルだったことが、二十六日分かった。同社が記者会見で明らかにした。車掌が運転士と口裏合わせをして、虚偽の報告を同社にしていた。


 オーバーランを取り戻すために過剰なスピードで進行したことが原因で事故が起こったという推測がなされる中の報だった。注目は、なぜ虚偽の報告をしたのかという点になる。

高見運転士は昨年六月にも、片町線下狛駅(京都府)で、快速を運転中に同駅を約百メートルオーバーランして、訓告処分を受けていた。


2005年04月26日(火)17:07
同僚運転士ら「起きようのない事故」 (産経新聞) - goo ニュース
2005年04月27日(水)08:25
JR尼崎駅、1秒単位で遅れ報告 「負担過酷」指摘も (朝日新聞) - goo ニュース

 上記の記事のように、運転士の教育方法や管理について明らかになっていく。

 JR西日本の管理は異常と言っていいと思う。1秒単位の管理などは要らぬプレッシャーを招くのは間違いない。安全と速度と時間の正確さを並列して運転士に要求しているわけだが、管理者は夢の世界に生きているのだろうか。人間はミスをするものであることを前提に、様々なルールを設定して管理をすることこそが管理職の責任でもあろうに。

2005年04月29日(金)13:35
遅れ回復の120キロ走行、運転士の常識 JR宝塚線 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月04日(水)14:00
高速回復運転が常態化、車掌「異常とは思わず」 (読売新聞) - goo ニュース

快速電車の脱線事故が起きたJR宝塚線では、「直線でとばし、カーブ直前で急ブレーキをかける」という運転方法が、遅れを回復するための「裏技」として運転士の常識になっていた。背景には、会社からの厳しい「ペナルティー」を恐れる運転士の心理や、ライバルの私鉄との競争を勝ち抜くために、スピードアップと過密ダイヤとを追い求めてきたJR西日本の姿勢がある。28日に死亡が確認された高見隆二郎運転士(23)も、事故現場のカーブ直前まで時速100キロを超す高速運転をしていた。


 連日のニュースのキーワードは日勤教育と過密ダイヤとなってきた。

 日勤教育というペナルティは、何を目的としたものか見失ってしまった制度だった。ミスを犯したものに対して重い罰を加えても、問題解決ははかれない。なぜこれをしてはいけないのかを理解させ、二度とミスを犯さないように自分で考えさせることこそが管理の常道だろう。

 もっと根本的なことを考えれば、ミスを責めてはならない。人間はミスを犯すことからは逃れられない。ミスを犯したときにどう挽回するか、自分には何ができて何ができないかを把握させて、より確実に業務をこなせるように導くことが管理だと思う。

 過密ダイヤという状況がそれを不可能にしていき、制限スピードオーバーの運転が裏業として成立していくわけだが、これは管理上の問題であろう。

 そもそも1秒単位のチェックを課していたというが、JRの駅に設置された時計が正確でないことをたまに見かけるのだが、それは僕の勘違いだろうか。改札前の時計を見て、まだ電車が来るには余裕があると思っていたら、実は数分遅れていて電車は行ってしまったという経験があるのだけれど。

2005年04月29日(金)06:28
JR西日本の労務管理、刑事責任追及へ 兵庫県警 (朝日新聞) - goo ニュース

列車事故の場合、ミスをした運転士や列車指令員が訴追されることが多い。県警は100人を超える死者を出した今回の脱線事故が起きた背景には、JR西日本の列車運行や運転士の管理に構造的な問題があると判断。結果の重大性や再発防止の必要性も考慮し、組織内の刑事責任を広く追及する構えだ。


2005年05月07日(土)12:20
「日勤教育」や列車ダイヤ見直し JR西日本が安全対策 (朝日新聞) - goo ニュース

5項目は(1)安全を優先する企業風土の構築(2)運転保安システムの整備(3)列車ダイヤの見直し(4)安全を担う人材育成、教育指導のあり方(5)情報伝達のあり方。


2005年05月06日(金)14:50
尼崎事故の路線、運行実態解明へ運転士らを聴取 (読売新聞) - goo ニュース
2005年05月06日(金)15:32
事故当日、社内放送で死者に触れず…JR西の情報混乱 (読売新聞) - goo ニュース
2005年05月06日(金)16:10
車掌「防護無線」発信せず JR脱線 (産経新聞) - goo ニュース

 この構造的問題に関しては究明され。改善される必要がある。まあまあ早い段階で対応にうつることは歓迎したい。



 この話題に関連して、参考の話題になるが、以下のエントリーが興味深い。

明日は明日のホラを吹く-Tomorrow, I'll give you another big talk-:JRの登場により競争が激化した私鉄の元運転士の息子として

 運転の現場、サイヤ作成の現場の一端を垣間見られる。そのうえで、その作業をする人間の心理が細やかに描かれているのが興味深い。「異常」な現場にも「慣れ」次第でこんなふうになるのかと驚嘆せざるをえない。



●復旧(国交相の失点)
 経済社会に生きる我々にとって、移動手段は重要であり、一刻も早い復旧が必要だと僕は思う。

2005年05月01日(日)21:44
新型ATS設置せず再開も 宝塚線事故でJR西が見通し (朝日新聞) - goo ニュース

 事故から6日経っても事故後の検証に手がかかっている現状を苦々しく思っていたので、この判断は妥当と僕は思った。被害者救出に3日以上かかっているのだから、復旧に時間がかかるのは仕様がない。この間に制度やダイヤを改めてすぐに路線再開できる状態を整えるべきと思っていた。なにしろ、沿線の住民が不便を蒙っているわけだ。その不便はすぐに解消されるべきだろう。

2005年05月02日(月)21:38
宝塚―尼崎間の運転再開、最新ATS導入後に…国交相 (読売新聞) - goo ニュース
2005年05月03日(火)03:03
復旧、6月中旬以降 脱線でJR西日本が方針一転 (朝日新聞) - goo ニュース

 余計なことやってんじゃない、国交相。前述の経済面や市民の利便性について少しは考えろというものだ。安全面の保障についても、制度的欠陥を補うことで充分可能なはずだ。あそこまでの大惨事になったのは、異常なスピードでカーブに突っ込んだからだろう。スピードを出す必要をなくせば、惨事は避けられるはずだ。

新津田沼駅:新型ATSだの、側面強化だの…

 上記のブログでは、全国の電車車両のATSの状況などを含めて考察されている。現実的に経済面から見ても整合性の取れない指示だということが納得できる。

たなか@さくらインターネット: 列車事故

 こちらのブログではATSの効果について解説していらっしゃるほか、福知山線の路線構成の経緯などについても解説しており、わかりやすい。是非ご覧頂きたい。

2005年05月06日(金)16:10
駅前商店、スーパー閑散 JR脱線事故 (産経新聞) - goo ニュース

 さて、この記事を見ても、国交相の発言は過剰反応と思えてくる。知識をもたない人間がなまじ権力をもっていることで、非常に多くの市民に迷惑がかかる。今からでも遅くはないから、方針転換するべきだ。

2005年05月03日(火)03:01
国交省、鉄道車両の安全義務づけへ…側面衝突対策など (読売新聞) - goo ニュース

 ちなみに、国交省のこの対応については批判するものではない。粛々と対策をすすめてほしい。



●JR西日本社員の対応――事故車両に乗っていた運転士
 不祥事と報道されていることその一。

2005年05月04日(水)02:16
JR脱線事故 4・6両目に運転士2人 救助せず出勤 (産経新聞) - goo ニュース
2005年05月03日(火)22:28
2運転士「救助せず」に遺族ら憤り JR西は会見で謝罪 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月04日(水)22:07
脱線連絡受けながら救助指示せず、JR西が謝罪 (読売新聞) - goo ニュース

 事故車両に乗り合わせていた社員が救助活動をせずに職場に向かったことは、批判対象ではないと思う。遺族の感情的には、憤りを感じる事実だろう。それは当然のことと思う。

 少し前の連続ドラマで『救命病棟24時』がやっていた。首都東京に阪神大震災クラスの地震が起こったことを想定して、救命救急を描いたフィクションだった。その中で、病院に運び込まれた消防士のエピソードがあった。彼は震災が起こった当初に、消防車で火災現場に向かう途中でたくさんの助けを求める人々に会っていた。しかし、彼は消防士は人命救助よりも消火活動を優先するという法律の下、それを無視していき、罪の意識にさいなまれた。

 ドラマの中では、マスメディアが消防士の行動を非難するなか、国会議員が事情を説明し、消防士の判断は正しかったと主張する。消火活動は消防士にしか出来ない。目先の救助活動をしても、救助を求める人は後を絶たない。そういう中では、市民の声を無視することは正しいことだという書き方だった。

 おりしも、今回の事故で救助レベルのランク付けが機能したことに評価が集まっている。これは『救命病棟』でも描かれていたが、阪神大震災での失敗を繰り返さなかったことに評価されるべきことだろう。危機の際の効率、各自の役割分担、優先順位は、機械的に行った方がよいということを誰しも認めるところだと思う。

 翻って、この二人の運転士。消防士と違って人命や被害には直接影響を及ぼすわけではない。しかし、彼らの仕事は専門職であり、仕事放棄することによって、経済的に損害を及ぼす可能性があったと思うと、職場に向かうことに異議は唱えられないと思うのだ。危機のときこそ役割分担に忠実にするという視点からは、その原則に則った行動というべきだろう。

 ただ、運転士に過失があるとすれば、なぜもっと詳しく現場の報告をして、救助活動の提案をしなかったのかという点があげられるだろう。彼らもまた被害者であり、気が動転していたのかもしれない。しかし、現場の把握をいち早く行い、適切な提案をして自分の本来の職に戻るという方法がベターであったのだと思う。提案する中で職場に代わりの者が配置できうる状況であれば、現場での活動も可能だったはずだ。

 そして、批判対象の中心となるのは運転士を管理する者の方だ。報道では、救助活動しなかったことと管理者の指示がまとめて批判されているが、僕は後者のみが批判されるべきものと思っている。感情に任せて何でもかんでも非難すればよいというものではない。

 管理者は、なぜもっと事故について把握しようとしなかったのか。運転士に関して代わりの者を用意することで現場の二人にそのまま救助活動させることをしないのか。なぜ上司への報告と救助活動の提案をしなかったのか。これらの点は人間としての意識、社員としての意識の低さに自戒を促したくなる。



●JR西日本社員の対応――レジャー
 不祥事その二。

2005年05月04日(水)22:45
JR西の天王寺車掌区、事故知りながらボウリング大会 (読売新聞) - goo ニュース
2005年05月06日(金)16:10
死傷者多数13人が認識 ボウリング大会43人参加 (産経新聞) - goo ニュース
2005年05月07日(土)03:03
延べ185人、事故発生後にゴルフや旅行 JR西日本 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月07日(土)13:46
宴会やゴルフ参加のJR西日本社員、中止進言は8人 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月08日(日)12:46
JR西の親睦団体、事故当夜に宴会…国会議員も参加 (読売新聞) - goo ニュース

 これは釈明の余地なし。非番であった事故直後の行動については差し引いても見られるが、事故発生直後でないレジャー行為については厚顔無恥にも程がある。これについても人間として社員としての意識の低さはひどいものがある。30代の社員が少ないというJR西日本の構造的問題も指摘されている。送別会に関しても差し引いて見たいとは思うのだが、それでも甘んじて自粛した行動が要求されたのではないだろうか。

2005年05月08日(日)11:47
居酒屋予約表から「JR」消して…事故3日後の懇親会 (読売新聞) - goo ニュース

 上記の記事を見ると、姑息というか何というか。。。社会的要請よりも自己の欲求や所属セクトのつながりが優先されるという感覚に違和感をおぼえざるをえない。

2005年05月05日(木)03:03
相次ぐ不祥事「大変なさけなく残念」 垣内社長が謝罪 (朝日新聞) - goo ニュース
2005年05月07日(土)01:02
事故後の「不適切事象」ずらり、JR西が謝罪繰り返す (読売新聞) - goo ニュース

 社会人として、人間としての感覚が希薄という特徴が、JR西日本にはあるようだが、組織としてどういった構造が原因してこうした人間形成をもたらしたのか、よく研究して報告してほしい。そして、その報告を参考にすべきは、公的機関をはじめとして、多くの大企業にあてはまる病巣であると僕は予想している。



●会見での虚偽報告
 事故原因に関しての置き石説、脱線スピードの計算に関しては不問にする僕であるが、これについては見逃せない。

2005年05月07日(土)13:01
脱線事故、JR西日本「通報」せず…説明と食い違い (読売新聞) - goo ニュース

 組織的問題、社員の意識の問題が数々あったが、それを認めたうえで事実を発表をするのが会見であろう。まさか正真正銘の嘘を発表していたとは、さすがにそこまでは読んでいなかった。

 これをされたとなると、もうJR西日本の証言は何一つ信じられないし、下記の対応をはじめ、今までの評価すべき対応も帳消しだ。雪印禍のときのような泥沼にはまっていくこと必至である。

2005年05月02日(月)11:04
脱線現場住民に代替住宅の家賃を全額補助…JR西 (読売新聞) - goo ニュース



 長くなったが、JR西日本という企業の組織的問題点、社員の人間性の問題については根が深い。そして、これはJR西日本に限った病根でもあるまい。今後も不祥事は出てくると予想されるが、それを受け止めたうえでの改善策を公表し、他の機関・企業は我が轍としないように神経を張り巡らせることこそが必要であると、現時点で考える。

 最後に、あらためて亡くなった方々のご冥福をお祈りする。また、怪我をされた方のご回復を祈りたい。



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明日は明日のホラを吹く-Tomorrow, I'll give you another big talk-:JRの登場により競争が激化した私鉄の元運転士の息子として
新津田沼駅:新型ATSだの、側面強化だの…
たなか@さくらインターネット: 列車事故



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JR福知山線脱線事故
 ※福知山線列車事故関連のニュースを逐一ピックアップしているブログ
天漢日乗
 ※福知山線列車事故関連でメディアに報道されない点も2ちゃんねるなどからピックアップしているブログ



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スタバ全店に電子マネー、コーヒー代はネットで - CNET Japan

NTTコミュニケーションズ(NTTコム、東京都千代田区)は、現金やクレジットカードを使わずに決済ができる電子マネーを、スターバックスコーヒージャパン(東京都渋谷区)の全国558店(4月末現在)全店で5月中旬から利用できるようにする。


 正直、NTTコムの電子マネーなど初耳である。「ちょコム」はSuicaと同様の前払い方式だが専用カードがないのが特徴らしい。

 知名度的に弱いところだけど、うまい提携先を選んだものと思う。スタバのブランド効果波及はかなり期待できるのではないだろうか。「ちょコム」はスタバカードというそれ自体に価値があるカード――ふつうカードの価値は便利さや使用目的にあるだろう――を手に入れることになるのだ。そして、スタバファンがこまめにカードを使用してくれることが期待できる。

 初のリアル店舗の提携として最高の相手を口説き落とせたのは敏腕営業さんがスタバに通ったからだろうなあと思う。スタバだって知名度の低い相手を選ぶのにしり込みしたと思う。カードのない電子マネーだったことが提携の最大の理由だろうか。スタバとしてもカードを増やさずに便利さを一つ増やせるわけだし、増収も見込めるだろうし。



 ただ、ユーザーにとっては微妙な話かも。

tarosite.net:Starbacksの電子マネー「ちょコム」

 カードが増えて、電子マネーも増えてっていう状況は微妙だ。。。スタバカードで何でも支払えれば全部丸くおさまるわけだ(笑)。



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tarosite.net:Starbacksの電子マネー「ちょコム」



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なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?
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HEATの日記:謎の老女が事故を予言した?

 悲惨な事故のだったが、不思議な出来事も起こっていたようだ。

 この話が事実であるとすれば、なんでこの女性はこういう出来事に出会ったのだろう。鹿児島から出てきてたまたま乗った電車が事故に遭っていた可能性があるのも、また不思議。しかし、彼女は生かされた。それは彼女がまだ生きていなければならない意味があるということなのだろうか。

 この話を知人にしたところ、きっと守護霊だよという感想。さすがにそれは。。。と思いつつもそうかもしれないという気にもなる。人間の運命って不思議だ。

 コメント欄にも下り特急電車が停車した不思議な話が載せられているが、読売新聞のソースに対して朝日新聞は抑え目な報道。さてさて。

事故の砂煙見て緊急停車、二重事故免れる 宝塚線の特急 (朝日新聞) - goo ニュース



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ウケ狙い?本性?問題発言連発のプーチン大統領 (読売新聞) - goo ニュース

 あー、日本にもこんな首相がいたような気がする。

 当時、日本国民の代表としての失言の数々で、海外に日本人自体のイメージ低下を招いているかと思っていたけど、これを聞いてみると、なんだか本人の資質だという印象であって、国民自体に悪イメージはもたないな。むしろ国民が可愛そうだ。

 けど、隣の国の人々が僕と同じ感覚をもっているわけでもないんだよなあ。。。



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官かくあるべし―7人の首相に仕えて
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天皇陛下、事故被害者たちをお気遣いに…親善訪問会見 (読売新聞) - goo ニュース

この日の会見には、外国メディアの代表も同席し、「学校で国歌斉唱と国旗掲揚を強制させることについてどうお考えか」と質問。陛下は「世界の国々が国旗、国歌を持っており、重んじることを学校で教えることは大切なことと思います。オリンピックでは優勝選手が日章旗を持ってウイニングランをする姿が見られます。選手の喜びの表情に強制された姿はありません。国旗、国歌については、国民一人ひとりの中で考えられていくことが望ましいと思います」と答えられた。


 外国人でないとこんな質問できないよな。。。質問の瞬間に記者会見に同席した人々は青ざめたことだろう。僕だって心臓とまるかと思うかも。。。

 これに対しての天皇陛下のお言葉は、さすがと言えるよう。視点が高みにある。これで園遊会での「強制でないことがのぞましい」というご発言の補足を知ることになり、すっきりした気もする。

 国旗、国歌については我々自身がそれについて考えなければならないだろう。強制されてはならないし、否定されてもならない。そして国旗、国歌はひとつの社会に属する人間にとって、その存在を必要とするものだろう。

 国際人となることを頻りにすすめられる現代社会では、その基盤となる生まれた国家の存在が不可欠。生まれた地域の文化の深みが不可欠。そんな人間にとって、自分自身のルーツの象徴は用意されているべきものだ。

 これを機に、強制も否定もされない教育政策をのぞみたい。



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ニュースと私(37) アドビのマクロメディア買収がもたらすものって?

 先日のニュース、アドビのマクロメディア買収のエントリーでトラックバックをうったのだが、たいへん喜んでいただいているようだ。

K-style:Adobe+Macromediaはお年寄りに優しくしてほしい

 トラックバックの本来の使い方をしたまでで、ここまで喜んでいただくと逆に嬉しい。そして、再びアドビとマクロメディアの協同でかなってほしいことを言及していらっしゃる。

 いいなあ、何でそんなに発想がこんこんと湧いてくるんだろう。僕はなぜ発想が出てこないんだろうと数日考えていたのだけれど、それは僕のPDFとFlashのイメージが影響しているのかなあと思ったのである。

 PDFによって生成される画面は静的なもの、いっぽうFlashによって生成される画面は動的だというイメージをもっている。このギャップがあるから、そもそも動的なものを静的なものにうつしてしまってもおもしろくないという考えがあるようだ。

 そもそもFlashのページってあまり好きじゃないのだ(笑)。HTMLのページだとリンク先の情報などをすぐに参照できるのだけれど、Flashではそれができない。はやく情報を取得したいのに、きれいな動画を見せられてもイライラするだけ。世の中のサイトはHTMLで統一してほしいくらいだ(笑)。

 これは、僕がWebを利用するときに、「情報取得」を主眼としているから思うことで、きれいな画面を楽しみたいと思っている暇をもつ人々に対しては、Flashは歓迎されるものだろう。

 そう考えるとkeisukeさんのおっしゃるシニア層というターゲットも、あながち間違いでもないような気がしてくる。



 それを踏まえて考えるとFlashとPDFを仲介するブラウザができれば便利かもなあ。ブラウザ上でそのまま画面をキャプチャでき、PDFとして印刷できたりとか。動的画面でも、この瞬間にクリック!てな感じで一場面を取り出せたらいいかもねえ。

 何か考える程、PDFとFlashの特性をあまりよくわかっていないことに気づく。詳しくないことにヘタにクビをつっこむべきでないなあ。。。



Wired News - アドビ+マクロメディア:ウェブモンキーが見る合併の将来 - : Hotwired

現在、出版やデザインの分野では、アプリケーション・スイートが主流になりつつある。こうしたアプリケーションのセットは、まとめて購入・インストールすると、ソフトウェア間での相互運用性が確保されており、制作作業の最初から最後までカバーする機能が得られる。


 職人さんの間では、ワンストップによるソフトのメリットがあるようだ。この記事の論はなんだかうさんくさく感じられるんだけど、環境が安く便利なものとなるよう期待するしかない。



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K-style:Adobe+Macromediaはお年寄りに優しくしてほしい



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アドビ システムズ社
マクロメディア社
About Adobe - Press Room - マクロメディア社を買収

Wired News - アドビ+マクロメディア:ウェブモンキーが見る合併の将来 - : Hotwired



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武富士に5000万円返却へ 社長ら処分 週刊朝日問題 (朝日新聞) - goo ニュース

朝日新聞社発行の「週刊朝日」が、大手消費者金融「武富士」(東京都新宿区)から5000万円を受け取っていた問題で、朝日新聞社は「グラビアの連載終了後に写真集を出版するなどとした約束が約4年間も実行されていないのは朝日新聞社側の契約不履行に当たる」として陳謝し、19日、利子を含めて全額を返済することを決めた。また、当時の編集長を停職、箱島信一社長の報酬を30%3カ月減額とするなど計6人を処分し、再発を防ぐための基準も新たに決めた。返金については武富士側も了承している。


 武富士の広告予算はいったいどうなっているんだろう。編集協力に名前を出さなくてもよい、連載後のイベントで露出ができればよいという。それを4年も放っておけるというのがまた不可解。報道されたくないものがあったからか?

 いっぽうメディア側はユーザーへの裏切りがはなはだしい。こちらは読売新聞がつっこんでいる。

編集協力費問題、識者は朝日新聞側の対応を批判 (読売新聞) - goo ニュース

 お金をもらっていることで、論調が変わることがあったのかが最大の検証ポイントだろう。

 また、タイアップ記事とふつうの編集記事では、読者の心構えも違ってくる。そのあたりはメディアとして越えてはならない一線を越えた自己否定の行為と思わざるをえない。

 でも、こんな杜撰な金銭感覚でやりとりしているのは武富士ばかりじゃなさそうだなあ。これはメディア全般に関してだけど他にもいろいろとあるのじゃないか。



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編集協力費問題、識者は朝日新聞側の対応を批判 (読売新聞) - goo ニュース



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 備忘録としてエントリー。報道記事を集めてみたが、こうしたニュースは海外リソースがないと似たりよったりの内容の乏しい記事になってしまうのだなあ。いろいろと報道を見て、なんとなくそれぞれの立場がわかってきた。





アドビのマクロメディア買収で近づく、マイクロソフトとの「最終決戦」 - CNET Japan

 Adobeは、印刷も可能な電子文書フォーマット、PDF(Portable Document Format)で有名だが、完全なデジタルコンテンツの領域では長い間苦戦を強いられていた。そして、この分野に得意とするのがMacromediaだ。

 Adobeは今回の合併で、Macromediaのアニメーション/アプリケーション開発用ソフトウェア「Flash」を自社のポートフォリオに加えることになったことから、同社は今後ウェブアプリケーションの新プラットフォーム構築をめぐって、Microsoftとオープン標準の両方を相手に戦うことになる。


AdobeとMacromediaのソフトウェアを利用するユーザー層は、ウェブデザイナーやグラフィックスアーチストなど、いわゆるクリエーターが占めている。しかし両社は、企業の技術部門との取引拡大も目指している。


 AdobeとMacromediaの合併が最初に検討されたのは数年前のことだった。

 両社は1990年代後半、お互いの市場を侵略し始めた。Adobeは、Macromediaのウェブオーサリングソフト「Dreamweaver」と競合する「GoLive」を発売したが、その後GoLiveの人気は低迷した。一方Macromediaは、プロのグラフィックス制作者らの間で圧倒的なシェアを持つIllustratorの競合製品としてFreehandとFireworksを投入した。

 Adobeはまた、Flashに代わるものとして考えられたWorld Wide Web Consortium(W3C) のSVC(Scalable Vector Graphics)を支持して、Macromediaの領土に侵入しようとした。さらに最近では、MacromediaがFlash Paperを出し、PDFの市場を奪おうとしている。

 Adobeは元々印刷の世界から出発した企業であるのに対し、MacromediaはCD-ROMやウェブのコンテンツといったデジタルメディアの領域で活動していたため、当初は両社が直接競合することはなかった。

 しかし、2001年の半ばには、互いに競い合うための両社の取り組みが行き詰まりを見せていることが両社の目にあきらかになった。文化的に異なる両社の関係は、戦略的に健全な戦いから、つまらない意地の張り合いに後退してしまった。さらに、それぞれが市場で苦戦を続けるなかで、両社は特許をめぐって法廷で争うことにもなった。

 その一方で、MicrosoftはすでにLonghornの計画を発表し、このソフトウェアに「先進的なプレゼンテーション環境」が含まれることを匂わせるようになっていた。




ユーザーの間で不安と楽観論が交錯--アドビのマクロメディア買収で - CNET Japan

「Macromedia製品を使う開発者はこれからどうなってしまうのか」と述べるのは、ソフトウェアアーキテクトのJesse Ezell。同氏の勤めるコンサルティング会社Activehead(ミズーリ州ジョプリン)は、Macromedia Flashをベースにしたツールを企業向けに開発している。「Adobeはデザイナーにフォーカスした会社だが、デザイナーが必要とするものは開発者のそれとは異なる。これまでMacromediaは1人でも多くの開発者の心をつかもうとしてきた。Adobeになってもそうした姿勢は続くのだろうか」(Ezell)

「両社の製品を使う人間として、私はMacromediaを買ったAdobeがGoLiveを捨ててDreamweaverを残すことを期待している。また、Photoshopが残りFirefoxがなくなるのが良いと思う」とMITのOpenCourseWare Projectに参加するウェブ開発者のB.K. DeLongは述べている。「Adobeが賢明にも、Dreamweaverの市場シェアだけでなく、ウェブ開発者にとってそれがどれほど強力なツールであるかを理解してくれると期待している」


 Firefoxは誤植のようだ。Fireworksね。これからユーザーに不満をもたせることなく、スムーズに融合していくことが今後の課題だろう。



中杉通りの怪人:可哀相なReal
Mac好きのおいしいネタ:「印刷のAdobe」と「WebのMacromedia」が一つに。AdobeがMacromediaを買収

 前回紹介した上記のブログの他にも、参考になったブログがあった。



K-style:アドビがマクロメディア買収

 PDFとFlashの融合について、こうなればいいなというアイデアにドキッとした。こういうことが可能になれば本当にいいな。僕にはこの融合で具体的には何も思いつかなかったけど、これがああなればいいという想像力はこんなふうに持っておきたいと思った。



NEO - ネオブログ:Adobe巨大化 そして、マイクロソフト?

 MS独占市場との考察についてはここがわかりやすかった。OS、ブラウザ、検索、OFFICE。身近な分野で、MSの独占は後退してきているけど、構造自体は変わらないだろう。この市場にどれだけ食い込むか、自らの市場からMSをどれだけ排除していくかというところは見ものだ。



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K-style:アドビがマクロメディア買収
K-style:Adobe+Macromediaはお年寄りに優しくしてほしい
NEO - ネオブログ:Adobe巨大化 そして、マイクロソフト?
blographicka:アドビがマクロメディアを...パックンチョ!!



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Adobe Systems Incorporated
Macromedia, Inc.
About Adobe - Adobe to acquire Macromedia
Macromedia - Press Room : ADOBE TO ACQUIRE MACROMEDIA

アドビ システムズ社
マクロメディア社
About Adobe - Press Room - マクロメディア社を買収

Adobe to buy Macromedia for $3.4 billion - CNET News.com
Macromedia, Adobe make peace for bigger fight - CNET News.com
Developers react to Adobe's Macromedia buy - CNET News.com

アドビ システムズ社がマクロメディア社を買収 - ZDNet Japan
アドビ、マクロメディアを34億ドルで買収 - CNET Japan
アドビ、マクロメディアを買収--新分野への進出加速か - CNET Japan
アドビのマクロメディア買収で近づく、マイクロソフトとの「最終決戦」 - CNET Japan
ユーザーの間で不安と楽観論が交錯--アドビのマクロメディア買収で - CNET Japan
PDFでも急成長するアドビの日本戦略、次の一手は - CNET Japan
ラウンドアップ:アドビがマクロメディア買収、新市場への勢力拡大を目指す - CNET Japan

(WSJ)アドビ、マクロメディアを34億ドルで買収 - NIKKEI NET
Macromedia買収の動機は共通の製品と理念――Adobe幹部が語る - ITmedia
合併の意外な誕生/私はいかにして心配するのをやめてAdobeとMacromediaの合併を歓迎するようになったか - ITmedia
速報:Adobe社がMacromedia社を買収 - スラッシュドット ジャパン



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