人間喜劇
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『スラムダンク SLAM DUNK』

スラムダンク (31)


「週刊少年ジャンプ」(集英社)1990年42号 - 1996年27号に連載。全276話。単行本は全31巻。アニメ化されており、テレビ朝日系列で1993年10月 - 1996年3月に放映。全101話。製作は東映アニメーション。


 僕らの世代で『スラムダンク』を読んだことのない男子なんているのだろうか。『ドラゴンボール』と『スラムダンク』は読んだことない男子を探す方が難しい。下品な表現になるけど、高校生当時に読んだことのない友人がいて、それが発覚したときに、「オナニーしたことない位ありえねー」と言われたものだ(笑)。

 さて、僕の小・中・高の漫画ライフは、『スラムダンク』が常に傍にあったわけだが、惜しまれつつもキッパリとその幕は閉じたわけである。

 桜木花道というバスケ初心者が、弱小高校に集まった一流選手たちと共にインターハイに出場する4ヶ月間を6年かけて描いた漫画。

 物語が完結した今から見れば、インターハイ県予選に入るまでは、ただのおもしろい漫画でトップレベルの漫画とは感じられない。この頃は、まだ画も稚拙。

 でも、県予選に入ってからは画が上達しているし、話のみせ方もうまくて、どんどん引き込まれる。ジャンプの黄金律、「友情・努力・勝利」がしっかりと描きこまれる。桜木花道の努力、そして驚異の上達、個性あり強いチームメイトと強敵たち、ドラマチックな試合展開、そうしたものが黄金律に基づいて丹念に描かれたのが予選以降の試合の数々で、完成度が高い。

 実際、作者の井上雄彦先生も、支持を得られたと感じたのは県予選に入ってから以降のようだ。

 何が『スラムダンク』を名作へと押し上げたかを考えると、不良三井寿の更生をしっかりと描きこんだからだと思う。連載当時、2ヶ月以上も続いた三井寿のエピソード。週刊で読んでいった頃は、このエピソードは面白くなくて、早く試合をしろよと思っていた。

 後になると、ここできちんと一人一人のキャラクターのバックボーンを描くことが必要だったし、それが名作となる布石となったのだと思う。この期間に画は格段にうまくなったし、安西先生の名言「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」と、三井の「安西先生……バスケがしたいです……」が登場して、読者の記憶に刻み込まれることになった。

 湘北が強くなり、かつキャラクターが立体的になってストーリーにふくらみが出ることで、名作となったのは、長く冗長で退屈だったけど、このエピソードあればこそかなと思う。



 『スラムダンク』は31巻の長期に及ぶが、中身は桜木花道の入学からインターハイが終わるまでの4ヶ月のみ。絶頂の人気を誇ったので、今でも続きが読みたいという声が聞かれる。作者の井上雄彦先生がテレビに露出してインタビューを受けるたびに、『スラムダンク2』は書かないのかという質問が出る。

 僕も読みたいと思うし、終了してからほどなく連載は再開するものと思っていた。作品の中に、桜木花道と流川楓を指して、「日本のバスケット界を背負う終生のライバル」というような表現があったからだ。

 けれども、直後に月刊誌で『ブザービーター』の連載が始まり、その目はないのだろうと感じた。作者も、テレビで今田耕司さんに『スラムダンク2』が読みたいとさんざん言われても、書くつもりはなさそうな雰囲気だった。

 『スラムダンク』の物語が1週間ごとに進んでいくこともなくなって、10年近く経ったいま、続編は必要ないかなとも思う。

 続編の世界は、僕の中で想像され、醸成され、僕の『スラムダンク』世界はできあがってしまっているからだ。芸術作品のあり方っていうのは、そんなものなのだと思う。作者の手から離れて公に発表され、読者が触れた後は、それはもう読者の作品でしかない。井上先生もたぶんそう思っていることだろうと思う。



 『スラムダンク』のことを思い浮かべることも少ない昨今なのだが、昨日の深夜にフジテレビで『『SLAM DUNK 10 DAYS AFTER』~スラムダンク 「あれから10日後」~』という番組が放送された。そういえば数ヶ月前に新宿の紀伊国屋書店の前を通りかかったら、「あれから10日後」という写真集のようなものが平積みされていて、立ち読みで黒板に書かれた漫画を垣間見た。

 『スラムダンク』のコミックスが1億冊の販売を遂げた2004年7月、井上雄彦先生は自ら新聞に全面広告を載せて感謝の意をあらわし、期間限定の特設Webサイトを開設。そのイベントの最後に、廃校の校舎にある23枚の黒板に、『スラムダンク』の最終回から10日後を描いていった。そのドキュメントが放送されたのである。

 立ち読みしたときは、まさか今、ストーリーではないにしろ、キャラクター世界の続きが描かれていたとは思いもしなかった。イベントに行きたかったなあと思った。

 ドキュメントを見ると、井上先生は、黒板に描く「10日後」を暖めていたわけではないようだった。1億冊の販売というきっかけで、『スラムダンク』ファンへの感謝の思いがつのり、こうしたイベントにつながったのだという。

 会場は大盛況で、黒板だけではなく、校舎という舞台を装置として、いろんな思いをかきたてるようになっていた。体育館ではバスケができるようにしていて、『スラムダンク』という共通の記憶をもつもの同士がコミュニティをつくり、つながりあえるしくみをもっていた。

 純粋な感謝の気持ちで開かれたこのイベント、そんなに商売はしていないようだ。最初に出した新聞広告も、広告主は井上雄彦先生自身。商売ではなく、ファンとのコミュニケーションというコンセプトだから、いい雰囲気をもって終始したイベントだったようだ。

 僕なんかは、まず出版社が商売できるし、バスケをできる環境があるならば、スポーツドリンク、スポーツ用品、服飾、美容関係(井上雄彦先生執筆のCMが流れている)などのスポンサーがつけただろうなあ。しかも、熱心なファンがいっせいに集まるコミュニティだから、『スラムダンク』という商品を軸に多くのプレミア商品を売れるだろうと考えてしまう。

 けれども、そんなことには執着しないなかで開かれたイベントだったし、それでよかったと思う。

 23枚の黒板に描かれた画は、触れれば消えるし、チョークを使えば書き加えられる。注意書きも警備員もない。何も保護しなかったけれど、3日間のイベントで何も改変はなかったという。井上先生はこれに感動していたし、これは「ファン」というコミュニティのすごさを物語ったものなのだと思った。

 しかし、何で写真集が出るよりももっと前に、この番組は放送されなかったのかなと思った。のだが、それはDVDが発売されるかららしい。

 名作『スラムダンク』はいまもって「力」をもつ稀有の作品。その連載が僕の学生という期間で、いろいろと影響もうけて、本当に幸せなことだと思っている。



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>キムさん
- 管理人 #- | URL |
おっしゃるとおりですね。井上先生はジャンプの方針に嫌気がさしていましたし、続きを書く気もないと思います。ただ、今回のイベントをきっかけに、井上先生の心の中で何かが化学反応しているように思います。しがない読者の身とすれば、要求はせず、期待だけをして待っていることが正しいんでしょう。
2005/05/11(Wed) 22:04:29[ 編集 ]
続編は・・・
- キム #SFo5/nok | URL |
スラムダンクはジャンプで連載していたわけですが、ジャンプは結構人気漫画を自分の思うように引っ張る傾向にあるようで、井上先生も思ったようなものが描けずに葛藤があったんではないでしょうか。
その意味でも、その後はジャンプ以外のところで思ったように描ける道を選んだのではなかろうかと。
とすると、スラムダンクの影を求めるのは、井上先生にとっては苦痛かも・・・と思うのは自分だけでしょうか?
2005/05/11(Wed) 07:03:40[ 編集 ]
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2005/05/14(Sat) 02:52:27
- 気ままにレビュっ☆
先日、深夜2時半よりフジテレビで「スラムダンク~あれから10日後~」という特番
2005/05/12(Thu) 15:23:58
- ひらめき饅頭2
昨晩遅くにやっていた「スラムダンクあれから10日後...」のドキュメントを録画していたので、帰宅後見る。SWITCHとはまた違ったアプローチで、とても良い番組であった。大きな糧である漫画が、リアルタイムに(録画だが)生成されていく様は、感慨深いものが
2005/05/10(Tue) 23:49:13
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