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『世間を読み、人間を読む 私の読書術』


世間を読み、人間を読む―私の読書術



阿部謹也『世間を読み、人間を読む 私の読書術』(日経ビジネス人文庫 2001年10月)

※阿部謹也『読書力をつける(「知のノウハウ」シリーズ)』(日本経済新聞社 1997年3月)を文庫化にあたり増補・改題

内容紹介:
「本を読むことは、人を読み、世界を読むこと」「読書は社会の中での自分の位置を知るためのもの」「教養には個人の教養と集団的教養がある」―碩学の歴史家が、自分の生きる世間の構造を解き明かし、自分の中に流れる歴史をつかみ取る「知のノウハウ」の真髄を語る。

読書期間:2005/10/11-10/28
評価:★★☆☆☆(2点/5点)


 阿部先生の出世作『ハーメルンの笛吹き男』を学生時代に初めて読んだときには、それこそ目から鱗が落ちる思いがしたものだった。

 そんな史学の先生の著作が、日経ビジネス人文庫などというところから出版されているのを不思議に思って読んでみた。

 読んでみると、言外に『「世間」とは何か』や『「教養」とは何か』を読みなさいと言われているように感じる。本書は、この二作を平易に書いたものという感じがしたのだ。

 展開される論理も同じものの繰り返しという感じがし、あっちへ脱線しこっちへ脱線しといった印象である。阿部先生の学説を浅く徘徊しているような感じだ。そうなると、阿部先生のこれまでの学説をおおかた把握していれば、大して目新しい感じはしない。

 また、文庫化の増補として加えた文章は、講演の記録であり、本論と別の場面での論になるのだが、講演で話していることが本論と矛盾する部分も出てきており、釈然としない。阿部先生の心底にあるものが共通していることはわかるのだが、字面では正反対なので、読者の誤解を招かないかと心配である。

 総じては高校生や大学一年生向けの書籍といった印象を受けた。

 ビジネスマンにとって有用な論が書かれているかといえば、そうではないのである。ビジネスマンにしてみれば、情報を捉える技術を求めていると思うのだが、もちろん本書ではそうしたものは提供していない。視点や視角を提供しているわけだが、それがビジネスマンにとって直接有用かというと、かなり遠回りをした考え方の提供だという印象である。

 辛口な評価になる結果を生み出したものは、編集者の企画ミスという点につきると思う。

 ビジネスマン向けの書籍として阿部先生を著者に選ぶのがそもそも首をひねる。また、阿部先生が忙しいというので、阿部先生が「語る」のを編集者が文字におこすという作業を選んだらしい。この結果、話にまとまりが出ず、浅い印象を与えてしまった。また、文庫としての増補部分に問題がある点は、前述の通りである。

 そういうわけで、この一冊は読むに値しないと思うのだが、久しぶりに『ハーメルンの笛吹き男』や『「世間」とは何か』を読んでみたいという意欲を与えてくれるという点ではよかったかと思う。



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