人間喜劇
気が向いたとき気が向いたことを書いていきます。。。

| トップページ |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
トラックバック(-) コメント(-)
『国語教科書の思想』


国語教科書の思想



石原千秋『国語教科書の思想』(ちくま新書 2005/10)

内容紹介:
戦後の学校教育は子供の人格形成を使命の一つとしてきた。現在、その役割を担っているのが国語である。「読解力低下」が問題視される昨今、国語教育の現場では何が行われているのか?小・中学校の教科書、なかでもシェアの高いいくるかの教科書をテクストに、国語教科書が子供たちに伝えようとする「思想」が、どのような表現や構成によって作られているかを構造分析し、その中に隠されたイデオロギーを暴き出す。

読書期間:2005/11/18-11/21
評価:★★★★☆(4点/5点)


 小森陽一氏と並んで新進気鋭の漱石研究者だった石原千秋氏なのだが、息子さんの中学受験を機に、ここ五、六年は、学校の国語、受験国語についてをライフワークにしている。いまではある国語教科書の編集委員に名を連ねるほどだ。といっても、小森氏もまた編集委員の仕事を持ってはいるのだが。

 学生時代に非常に多くの論文を参考とする機会のあった僕としては、この活動には何だか違和感をもってもしまうのだが、文学の方法を一般社会に還元しようとする姿勢は否定はできないと考えている。

 さて、本書であるが、文学研究の論文の書き方が身に染みてしまっているのか、非常にガードがかたく、敷居の高い印象が残る。僕の場合は学生時代の経験で、さほど不思議な感覚はもたないのだが、主に一般人が購入する書籍でこの書き方はないだろうと感じる。

 どういうことかというと、総じて、アラ探しをされてツッコまれないようにと、ことわりを述べながらの論の展開が多いのだ。文学研究においても、論文を発表するたびに論争を挑まれていた印象がある石原氏なので、こうした書き方が身についているのだろう。

 まあ、国語教科書についての批判をし、仮説と新たな提案をしているわけだから、身を守ろうとするのも無理はない。ただ、こうした書き方のせいで、文章の小気味よさが奪われて、まわりくどいことは確かだ。



 内容の方はというと、大きく分けて三部の展開をする。はじめに、国語という教科がどうあるべきかという提案をし、残りの二部で小学校と中学校の教科書をそれぞれ分析する。

 国語科が道徳教育になっており、リテラシー科と文学科に再編すべきだという論は、納得できるところがある。特に、リテラシー科という点では、「メディアリテラシー」という言葉が市民権を得た昨今では、導入を大きく検討すべき側面だろう。

 また、小学校一年生から六年生までの教科書を一冊の本として分析しようという試みは、国語が道徳教育であるという論を援護する点でも当たっていると思う。繰り返し、何年もかけて価値観の教育がなされているというのは、一冊の本として解釈するからこそで、またそうした解釈は的をいていると思った。

 教科書の分析のほうでは、主に光村の教科書を分析しているのだが、驚いた点があった。それは、筆者の批評ではなく、筆者が取り上げた教材が、僕が読んだことのある作品だった点である。

 僕は小学校を卒業して十年以上経っている。けれども、教科書の主力は、僕が読んできた教科書とさして変わりはないということなのだ。確かに、長く価値をもって読まれるべき作品もあるだろうが、それにしても、十年単位で作品の入れ替えがほとんど行われないというのは、実社会を反映しない学校教育という側面として認識されてしまう。

 確かに、生き物や環境の説明文があり、夏ごろには太平洋戦争関連の作品を読まされ、また、動物ものの小説を読むという展開が年間の国語授業の印象でもある。

 これを道徳教育、つまり思想教育ととらえても差し支えあるまい。

 学校教育を受けてきて、何となく感じてきたことを、きちんと整理して言葉にして提示した点に、この本の価値はあると思う。「何となく」を言葉にして明快に認識することは重要なことだし、これを踏まえて学校教育を見ていくことは重要だろう。



■トラックバック送信先
院生の小窓:投げやりな日本の私


■関連リンク



■関連エントリー





国語教科書の思想
国語教科書の思想
posted with amazlet on 05.11.29
石原 千秋
筑摩書房 (2005/10/04)
売り上げランキング: 105,502



秘伝 中学入試国語読解法
石原 千秋
新潮社 (1999/03)
売り上げランキング: 8,604



教養としての大学受験国語
石原 千秋
筑摩書房 (2000/07)
売り上げランキング: 6,152



大学受験のための小説講義
石原 千秋
筑摩書房 (2002/10)
売り上げランキング: 5,305



評論入門のための高校入試国語
石原 千秋
日本放送出版協会 (2005/03)
売り上げランキング: 37,306



小説入門のための高校入試国語
石原 千秋
日本放送出版協会 (2002/04)
売り上げランキング: 40,920


スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
【2ch】ニャー速VIPブログ (・ω・)ガオー:ちょっと、これ知ってる奴いる?

 もってたもってた!!超興奮!!!これ、クリスマスプレゼントでもらったよ!最速でミスしないようになれれば車の免許もらえるなって思ったものだ。超なつかしい~!



■トラックバック送信先
【2ch】ニャー速VIPブログ (・ω・)ガオー:ちょっと、これ知ってる奴いる?



■関連リンク



■関連エントリー





ドライビングパトカー リアルサウンド
トミー (2004/07/01)
売り上げランキング: 7,188



ZOIDS 007 シールドライガー
トミー (1999/08/28)
売り上げランキング: 14,531



ZOIDS 031 ディバイソン
ZOIDS 031 ディバイソン
posted with amazlet
on 05.11.29
トミー (2000/05/25)
売り上げランキング: 7,618



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
ネットに女性タレント合成裸写真、国交省元幹部ら逮捕 (読売新聞) - goo ニュース

 一般的な感覚で受け止めれば、このニュースは、元官僚が著作権を犯し、タレントの名誉を毀損した点において糾弾するに違いない。

 でもネットにおいては、このニュースはもっと衝撃的なニュースと受け止められるんじゃないだろうか。焦点は、アイコラ職人さんが逮捕された、しかもそれが元官僚だったという点になるだろう。

 ネットをうろうろしていれば、アイコラと出会うときもある。卑猥な画像を求めれば、新作のアイコラを熱望して、それをつくってくれる人を職人と呼び崇める。そういう雰囲気があるように思っている。

 こうした活動は止めようもないものだと思う。先日の黒田さんの画像だってアイコラであり、取り様によっては名誉毀損だ。けれどもそれは明らかに違法行為であるし、気軽にやってよいことではないだろう。法律を遵守する立場の公務員はなおさら慎むべき分野だ。

 ちなみに、58歳という年齢でアイコラ職人とは恐れ入ると思ったところ、この元官僚は、写真を横流ししていただけで、職人ではなかったようだ。軽率な行為は慎みたいものである。



■トラックバック送信先
MyPersonalLinks+:運輸省→国土交通省→財団法人に天下り→ムショ(刑務所)逝き?!



■関連リンク
ネットに女性タレント合成裸写真、国交省元幹部ら逮捕 (読売新聞) - goo ニュース



■関連エントリー
社会と私(50) 悪ふざけ
ビジネスと私(12) スポーツアイドルの利用価値





コンテンツビジネス・マネジメント
八代 英輝
東洋経済新報社 (2005/08/26)



著作権とは何か―文化と創造のゆくえ
福井 健策
集英社 (2005/05)
売り上げランキング: 15,596



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
シャンプーとリンスの減りが違う件について | Excite エキサイト : ニュース

 結局この件について答えは出ていないし、正直同時に使い切るのは無理だろう。

 僕の場合、シャンプーは一回分ですむけれども、リンスだと髪に満遍なく伸びないから、二回分を必要してしまう。そして、髪が伸びてくると、微妙にシャンプーが一回半必要になる。

 それよりも気になるのは、僕の使っているブランドは、リンスがシャンプーよりも高い件についてである。消費量の多いほうを安くしてほしいのだけれども、何とかならないものなのか。



■トラックバック送信先



■関連リンク
シャンプーとリンスの減りが違う件について | Excite エキサイト : ニュース



■関連エントリー








この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 見るからに『スパイ2/7』(フジテレビ)のパクリである。解答者の中に一人裏切り者が混じっていて、それを探すことを義務付けられる構造は、どう考えても『スパイ2/7』にインスパイアされている。

 けれども、『スパイ2/7』が未完成な企画だったのに対して、『ザ・チーター』は非常にブラッシュ・アップされた番組だ。

 視聴者に疑惑の人物が誰かと考えさせ、意見を表明させる仕組みを用意している。「チーター」だと決め付けられた人物が行き着く部屋には司会の一人が控えているし、「チーター」を予想するのは観客席にいる者たちにも可能となっている。

 また、ウソをついている場面が冗長だった『スパイ2/7』に対して、『ザ・チーター』ではクイズ形式を導入することによって、その時間を区切って締まりあるものとしている。

 司会にロンドンブーツ1号2号を採用している時点でお金のかけ方が違うのだから、こちらの方が高いレベルの番組をつくることもうなずける。でも他局の番組のコンセプトにインスパイアされるのってどうなんだろう。。。



■トラックバック送信先



■関連リンク



■関連エントリー
駄ブログ:テレビと私(4) スパイ2/7





「顔面」仕事術 5秒で相手を見抜く!
池袋 絵意知
ソフトバンククリエイティブ
(2005/08/27)
売り上げランキング: 43,240



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
ガイドブックのこんなフレーズにご用心!? | Excite エキサイト : ニュース

 無意識にはわかっていたような気もするが、こうして文字にされるとむべなるかなである。

 確かに、自分自身が作文をするときは、よく使われているフレーズを採用してしまうこともある。書く立場に思いをいたせば、納得の結果であるし、自分自身の作文の機会にも注意をしなければと感じた。

 しかし、パンフレットを見るときにうさんくせーと感じるのは、こういうことだったのね。



■トラックバック送信先



■関連リンク
ガイドブックのこんなフレーズにご用心!? | Excite エキサイト : ニュース



■関連エントリー





あなたの仕事が劇的に変わるメール術
平野 友朗
ビジネス社 (2005/05/27)



考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
バーバラ ミント Barbara Minto
山崎 康司 グロービスマネジメント
インスティテュート
ダイヤモンド社 (1999/03)
売り上げランキング: 2,614



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 人間って不思議だなあと思う。

黒田さんってスカウターが似合いそう!

 当人たちに悪意はないと思う。純粋に楽しんでいるのだろう。僕も、言われてみればスカウターが似合いそうだと思うし、黒田さんの顔かたちは妙に気にもなっていた。

 でも、ここまでやっちゃうのってどうなのよ。。。人間、集まればすごくなるものだ。顔が見えないからこその「なんでもあり」と、集客力で、ここまでのことをしてみせるとは。。。



■トラックバック送信先



■関連リンク
黒田さんってスカウターが似合いそう!



■関連エントリー








この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 コンビニのレジでビックリマンを見かけてしまった。僕の世代は、これは買わずにいられない。速攻購入。そういえばYahoo!あたりでビックリマンの特集をしていたような気もする。

ビックリマンオフィシャルホームページ

 復刻版と書かれているが、これは定かでない。どれが復刻でどれがそうでないのか。僕が買ったのは、2005年バージョンだったようで、ダマされた気もする。

 大人買いをしたい気もするが、今でもほしいのはシールだけで、チョコは小学生だった頃よりも、ますますいらない。

ビックリマンオフィシャルホームページ:ビックリマン大図鑑

 このページがまた郷愁を誘う。必死で集めてたあの頃、懐かしいなあ。



■トラックバック送信先



■関連リンク
ビックリマンオフィシャルホームページ
ビックリマンオフィシャルホームページ:ビックリマン大図鑑



■関連エントリー





ビックリマンシール完全大百科 増補版
ビックリマンプロジェクト
小学館 (2002/10)
売り上げランキング: 4,812



ビックリマン「ヘッドロココの章」compact
東映 (2005/12/09)
売り上げランキング: 2,426



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 テレビを見ていたら、生協の白石さんが一言カードに答えているCMを見た。なんだこれは?と思ったら、ガンダムのCMらしい。

ITmediaニュース:生協の白石さんに「モビルスーツが欲しい」と聞くCM

 SMEは、コアなガンダムファンだけでなく、世代や男女を問わずにCDに興味を持ってもらえるよう、白石さんの問答を採用したと説明する。

 「『生協の白石さん』を知っている人からすると、『これってパロディ? それとも本当に白石さんが書いているの?』という興味が沸く内容。白石さんを知らない人にとっても、後で知った時に『あのCMはこのことだったのか』と思ってもらえ、誰かとの会話で出てくるような状況を期待した。みんなに愛されている『生協の白石さん』へのトリビュートCMと言えるようなものを作りたかった」(SME)


 ガンダムファンがネットのコミュニティに深くはまっている世代であることを考えると、ネットで人気に火がついた白石さんを採用するのは何ともうまいことだと思う。

 白石さんの一言カードを見たことがない僕にとっては、こういう体裁でこういう字を書くのかとおもしろく思った。

 ネットでの人気を象徴するのが、下記の傾向だろう。

ITmediaニュース:アクセスが止まらない“お化け記事”

 掲載から三週間経ってもアクセスがトップを維持できるのは、とりもなおさず、ブログから記事へリンクを辿ってくるアクセスが多いからだろう。ネットであるからこそ、賞味期限の長い記事になっているのだと思われる。

 さて、ガンダムのCMの方だが、ネットでの公開を始めたらしい。

ITmediaニュース:生協の白石さんのガンダムCM、ネット公開

機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST 発売決定!

 おもしろい。。そして、買っちゃいそう。。。



■トラックバック送信先



■関連リンク
ITmediaニュース:生協の白石さんに「モビルスーツが欲しい」と聞くCM
ITmediaニュース:生協の白石さんのガンダムCM、ネット公開
ITmediaニュース:アクセスが止まらない“お化け記事”

機動戦士ガンダムSEED DESTINY COMPLETE BEST 発売決定!

がんばれ、生協の白石さん!



■関連エントリー





生協の白石さん
生協の白石さん
posted with amazlet on 05.11.22
白石 昌則
東京農工大学の学生の皆さん
講談社 (2005/11/03)



機動戦士ガンダム SEED DESTINY COMPLETE BEST
TVサントラ
ミュージックレイン (2005/11/02)
売り上げランキング: 4



機動戦士ガンダムSEED COMPLETE BEST
TVサントラ
ソニーミュージック
エンタテインメント
(2004/01/15)
売り上げランキング: 432



機動戦士ガンダムSEED DESTINY 11
バンダイビジュアル
(2005/12/23)



機動戦士ガンダムSEED 13<最終巻>
バンダイビジュアル (2004/03/26)
売り上げランキング: 3,498



Realize (機動戦士ガンダムSEED OPテーマ) (CCCD)
玉置成実
ソニーミュージック
エンタテインメント
(2003/07/24)
売り上げランキング: 2,782



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
【こぼれ話】1-3月生まれの子供は成績が良い=ノルウェーの研究 (時事通信) - goo ニュース

 何でもかんでも報道すればよいというものではないだろう。この発表にあたり、サンプル数や比較対象となった層まで、きちんと付記しなければ、メディアの力を濫用したものでしかなくなる。

 比較したのは、同じ学年の1-3月生まれと10-12月生まれなのか、同学年のそれなのかさえも定かでない報道で、読者をミスリードするには充分な記事といえよう。

 総じて時事通信や共同通信の記事は信用するに当たらない記事が多い。こぼれ話というくくりではあるが、手抜きの報道の多さには閉口する。



■トラックバック送信先



■関連リンク
【こぼれ話】1-3月生まれの子供は成績が良い=ノルウェーの研究 (時事通信) - goo ニュース



■関連エントリー





メディア・リテラシー―世界の現場から
菅谷 明子
岩波書店 (2000/08)
売り上げランキング: 19,975



情報の「目利き」になる!―メディア・リテラシーを高めるQ&A
日垣 隆
筑摩書房 (2002/09)
売り上げランキング: 76,525



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
『日本海軍のこころ』


日本海軍のこころ



吉田俊雄『日本海軍のこころ』(文春文庫 2002/12)

内容紹介:
優秀な日本海軍の兵士は、いかなる「教育」によって生み出されたのか?江田島兵学校から航海実習まで、豊富な資料とエピソードによって描く。

読書期間:2005/10/28-11/18
評価:★★★★☆(4点/5点)


 吉田俊雄氏の書籍は、下記のもの以来である。

駄ブログ:書籍と私(1) 『日本陸海軍の生涯』

 超高齢者の書籍ということで、本書も文字通り海上に浮かぶようにおもしろさに波があった。

 概して、海軍の手前味噌という側面が否めない。海軍の教育は素晴らしかったと連呼し、米海軍に最も苦戦した相手だったと言わしめたと誇るが、歴史の事実としての、誤った戦争への突入という点に関して、何一つ論理的な説明が付されない。したがって、海軍教育の素晴らしさについて、何一つの真実味もない。

 佐々淳行氏が著書で頻繁に言及する「海軍次室士官心得」というものがある。『わが上司 後藤田正晴』など、上司が部下を管理するノウハウを述べた時には、佐々氏は、これが非常に参考になったと、必ずその内容を紹介する。

 その著書では、「海軍次室士官心得」は、部下管理の基本を抑えたものと感じるし、日本海軍が優れた組織を持っていただろう事も想像できたのだが、どうも手前味噌の話ばかりを見せられると、割り引いて読みたくもなるのだ。

 しかしながら、具体的な体験談の掲載は非常におもしろく、また、日本人としても知っておいたほうがよいと思われるものが列挙されており、その意味で高い評価の書籍につながった。

 第一部第二章の中の、「カッターで敵中脱出の苦心」という項は、戦場を眼前にまざまざと見せつけられるかのような、小気味の良い文体で読ませ、またその内容も過酷で熾烈。是非この事実は知っておくべきだと思った。

 また、第二部第六章もぜひ知っておくべき事実の描写だったと思う。「厨房からの報告」という章で、戦艦での生活にスポットを当てた部分だ。

 ただ戦争をしているという戦艦というイメージしか持っていなかったが、三食睡眠は同じ艦内で行われるわけで、燃料の熱さなどに思いをいたすべきという点に目が開かれた。冷蔵庫がない、つまり保存ができない日清戦争の時代には、肉を摂取するために、豚などを飼育しながら航海していたという。

 歴史の表の部分ばかりではなく、こうした基盤的な部分から時代を想像しなければならないと気付かせてくれた点で、この書籍は良書と感じる。

 上記に示した章を読めば充分だと思うので、いろいろな方に是非目を通していただきたいと感じた。



■トラックバック送信先



■関連リンク



■関連エントリー
書籍と私(15) 『昭和天皇とその時代』
書籍と私(13) 『後藤田正晴―異色官僚政治家の軌跡』
駄ブログ:書籍と私(9) 『昭和史と私』
駄ブログ:書籍と私(5) 『日本海軍の興亡』
駄ブログ:書籍と私(3) 『瀬島龍三 参謀の昭和史』
駄ブログ:書籍と私(1) 『日本陸海軍の生涯』





日本海軍のこころ
日本海軍のこころ
posted with amazlet on 05.11.19
吉田 俊雄
文藝春秋 (2000/12)
売り上げランキング: 329,873



日本海軍がよくわかる事典―その組織、機能から兵器、生活まで
太平洋戦争研究会
PHP研究所 (2002/07)
売り上げランキング: 46,998



リーダーシップ―アメリカ海軍士官候補生読本
アメリカ海軍協会 武田 文男
野中 郁次郎
生産性出版 (1981/10)
売り上げランキング: 28,120



わが上司 後藤田正晴―決断するペシミスト
佐々 淳行
文藝春秋 (2002/06)
売り上げランキング: 24,752



平時の指揮官有事の指揮官―あなたは部下に見られている
佐々 淳行
文藝春秋 (1999/11)
売り上げランキング: 7,918



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
MIKI-Ando.jp

 フィギュアスケートの安藤美姫選手がこのほど公式サイトをオープンさせたようだ。

 ここ一、二年の彼女の人気振りを思えば、この試みは遅きに失したとも思える。コンテンツを様々に用意しているようだが、流出を恐れてか、セキュリティが高めのページのようで、僕のブラウザの設定だと、トップページから下層は見ることが出来ない。そこまでの執着はないので、サイトが見られるような四苦八苦はするつもりがない。。とにかく、細心の注意を払ってのオープンということだろう。

 さて、こうしたサイトを実際に運営しているのは彼女自身であるはずはない。安藤選手に価値を見出した企業が彼女に提案をして権利を得ることでオープンにこぎつけたということだろう。

 スポーツ界にはアイドルが誕生するがその賞味期限は意外と短い。ライオンズの松坂大輔投手の入団当初と現在を比較すればよくわかる。予告先発が発表されるたびに、当時の西武ドームを満員にしていたのだが、それを続けることは結局出来なかった。

 人を集め、お金を使わせるという点において、スポーツ界のアイドルは大変利用価値が高いものなのだろうが、賞味期限の短さを考えても、使い捨てされることには寂しさを覚えることを禁じえない。一流のアスリートとして敬意を払っていく姿勢がファンにもほしいものだ。

 さて、このたびの試みはオフィシャルサイトという点で少し注目している。これは期間限定のサイトではないからだ。安藤選手が引退した際には、サイトを閉じてしまうのか、別の方向を模索するのか。半永久的な運営が可能なものを始めたという点で、運営者は責任を感じてほしいと思うし、選手、企業のそれぞれがWin-Winの関係であるような事業を行っていってほしいと思う。



■トラックバック送信先



■関連リンク
MIKI-Ando.jp



■関連エントリー





氷上の妖精たち(安藤美姫ほか) 2006年度 カレンダー

ハゴロモ (2005/09/24)
売り上げランキング: 22,751



little wings―新世代の女子フィギュアスケーター8人の素顔
Little Wings編集部
双葉社 (2003/12)
売り上げランキング: 55,746



全日本女子バレー フォトブック「球萌え。」
マガジンハウス
マガジンハウス (2005/11/11)



全日本女子バレー 大友愛 フォトブック I Love・・・
塚原 孝顕
ポニーキャニオン (2005/09/06)
売り上げランキング: 483



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
asahi.com: 今年の言葉は「郵政民営化」 ワード・オブ・ザ・イヤー

 こちらの流行語大賞は朝日新聞社主催のもの。

 読者投票を売りにしているようだが、ノミネートのワードを主催者で選んでいる時点で、何らおもしろみのない結果に成り下がっている。ユーキャンの新語・流行語大賞の後追い企画なのだから、違いを打ち出さなければ、この選考に価値は出てこない。

 実際、受賞ワードは、新語・流行語大賞とさして変わらぬもののようだ。まあ参考程度。



■トラックバック送信先
天網快快:『2005年ユーキャン新語・流行語大賞』
D.D.のたわごと:裏・流行語大賞



■関連リンク
asahi.com: 今年の言葉は「郵政民営化」 ワード・オブ・ザ・イヤー



■関連エントリー
社会と私(48) 新語・流行語大賞
Webサービスと私(52) Web of the Year 2005ノミネート





レイザーラモンHG
レイザーラモンHG
posted with amazlet on 05.11.17
レイザーラモンHG
竹書房 (2005/11)



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 2005年総括第二弾は、新語・流行語大賞である。

新語・流行語大賞

 1984年から始まったこの賞。その年の世相を一目で理解できるという点で、有意義なイベントだと思う。その趣旨はこちら。

この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。


 現段階ではまだ、ノミネートの発表である。

2005年ユーキャン新語・流行語大賞の候補語60語

 毎回首をひねるのは、上記の定義にあてはまらない言葉が多数列挙される点である。「愛・地球博」などその走りである。「ことば」ではなくてイベントであろう。もっと基準に忠実になってほしいものだ。

 目に付くのは、お笑いブームの残滓と、ネットコミュニティでの流行ものである。

 昨年の入賞に波田陽区さんが入っているのに、今ではさっぱり見かけなくなってしまった。いっぽうで、昨年のM-1優勝のアンタッチャブルの「あざーす」、レイザーラモン住谷さんの「ハードゲイ」「フォーーー!」などが今年のノミネートということで、来年は見られないのだろうなあという気がする。

 大賞予想としては、「想定内、想定外」か。今年は誰もが一度はこのワードを使おうとしたに違いない。もしくは、9.11総選挙関連の言葉だろう。でも「ホリエモン」の二年連続受賞というのが固いところではないかと予想する。



■トラックバック送信先
天網快快:『2005年ユーキャン新語・流行語大賞』
D.D.のたわごと:裏・流行語大賞



■関連リンク
新語・流行語大賞
2005年ユーキャン新語・流行語大賞の候補語60語



■関連エントリー
Webサービスと私(52) Web of the Year 2005ノミネート





レイザーラモンHG
レイザーラモンHG
posted with amazlet on 05.11.17
レイザーラモンHG
竹書房 (2005/11)



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 最近は何かと東大の改革が取り上げられるようになっている。

文系でも医師目指せます 東大、学部選択を弾力化 (共同通信) - goo ニュース

 学生時代を思い出してみれば、勉強したいと思うことが変わり、学部を変える人間はたまに見かけたものだった。そういう意味では、こうしたフレキシブルな制度を採用しておくことは好ましい。ある友人などは、制度に阻まれて受験からやりなおして別の大学に行ってしまったものもいる。

 ただ、さも珍しいことのように取り上げられているニュースだが、用意してあって当然の制度であるし、この制度が頻繁に利用されないことが望ましい。

 受験生には、もっとコスト意識を持って大学選びをしてほしいと思う。さらに言えば、親は受験生の子どもに対してコスト意識を持たせるべきだ。

 年間に何十万もの授業料を払い、四年間も時間を費やして勉強するという「投資」に対して、どれだけの「回収」を見込むのかという意識が必要である。やりたいことがないから大学へ行って考えるというような思考方法は言語道断。どうせ何も考えやしない。

 受験生の数と大学の入学定員数が等しくなってしまった昨今、大学を卒業したからといって得られるものは何もない。ならば、高校を卒業してすぐに働き、進みたい道を見つける一助にした方がよいと思う。働くうちにコスト意識も身につくわけで、大学というレジャーランドへ通うよりはよほど有益である。

 そういう観点からすると、学部転換はあまり好ましいものとは思えない。本気でやりたいことが変化したという生徒のためにも必要な制度ではあるが、何も考えてない生徒の甘い考えを聞き入れてやる制度としては使用されないように願いたい。



■トラックバック送信先
受験戦略論 : <東京大>学業優秀なら行きたい学部へ 来年度から



■関連リンク
文系でも医師目指せます 東大、学部選択を弾力化 (共同通信) - goo ニュース



■関連エントリー
教育と私(9) 東大の説明会
教育と私(8) 大学で囲碁の授業





ドラゴン桜を検証!!東大合格法
2005年理3合格者有志
「東大合格法」編集委員会
データハウス (2005/07)
売り上げランキング: 2,698



「ドラゴン桜」わが子の「東大合格力」を引き出す7つの親力
親野 智可等
講談社 (2005/10/14)
売り上げランキング: 24,558



高校生のための参考書選びの本 (平成17~18年版)
高校学習研究会
日栄社 (2005/04)
売り上げランキング: 204,413
通常2~3日以内に発送



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 今年も残りわずかとなり、Web of the Yearの投票の季節になってきた。Yahoo!のトップにもリンクがおどっている。

Web of the Year 2005

 投票したものと、投票理由をメモ。

●新人賞:ZDNet Japan
 以前のゴチャゴチャした感じをすっきりさせ、ビジネス向けとしてリニューアルしたのが印象的。米国の本サイトに近づいたのはよいと思う。

●話題賞:がんばれ、生協の白石さん!
 ネットがネットを飛び出すトレンドが出てきた今年においては、これが一番印象的。鬼嫁や電車男よりも、報道性があり、なおかつ一介の生協職員さんが有名になったというのが重要と思った。

●部門賞[情報検索]:Google
 精度が落ちてきたような気もしないが、それでも検索において他のサービスを寄せ付けない圧倒的な実力から。

●部門賞[ニュース]:nikkeibp.jp
 コンテンツの幅をどんどん広げてきている点から。

●部門賞[オンラインサービス]:Yahoo!フォト/Yahoo!ブリーフケース
 地味にストレージのサービスが重要になってきた昨今、業界一位の立場としてはさすがの容量をドカンと投入してきたのはあっぱれ。

●部門賞[ショッピング・オークション]:Amazon.co.jp
 業界トップの知名度と質に加え、まだまだ潜在能力を感じることから。

●部門賞[生活情報]:Googleマップ
 地図サービスにおいて、どこよりも早くスクロールを導入した点から。

●部門賞[コンピュータ]:CNET Japan
 RSS、トラックバックの許容など、ブログとの親和性をはかり続ける姿勢から。

●部門賞[コミュニティ]:2ちゃんねる
 世の中のトレンドとして無視できない存在に成長した点から。

 といった感じだ。投票していない部門もいくつかある。僕の場合は、視点がどちらかというとニッチなので、賞をとるのはこの中からはあまり出てこないんだろうな。。。



■トラックバック送信先



■関連リンク
Web of the Year 2005



■関連エントリー





アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか
松本 晃一
ダイヤモンド社 (2005/01/28)
売り上げランキング: 3,038



最新WebサービスAPIエクスプロ-ラ ~Amazon、はてな、Google、Yahoo! 4大Webサービス完全攻略
Software Design 編集部
技術評論社 (2005/09/23)
売り上げランキング: 6,326



とっておきの秘技 Google検索の秘伝書
持丸 浩二郎 蒲生 睦男
シーアンドアール研究所 (2005/06)
売り上げランキング: 5,245



グーグる! Googleで知識が100倍増える本
インターネットマガジン編集部
インプレス (2004/03/30)
売り上げランキング: 75,857



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
移動コンビニ作ったら…“こども取締役”提案 (読売新聞) - goo ニュース

 基本的に子どものアイデアに利益を考えた実現可能なものは見出せるわけがないだろう。学ぶべきは、サービスの深化や着眼点だと思う。消費者だからこそ、子どもだからこその着眼点には注意深く参考にしたいところだと思う。

 例えば、「芝生や緑に囲まれてリラックスできるコンビニ」という発案は、採用できるわけがない。緑に囲まれていては、道から離れていて訪れにくくなるだろうし、購買者が減って運営困難になるに違いない。

 しかし、コンビニには緑が足りないという視点は貴重だと思う。ただの消費者でしかない僕だって、コンビニに緑がないのは当然と思っているのだけれど、よく考えてみたら、緑があってリラックスできる環境ならば、より利用しやすい店になるに違いない。

 コンビニに限らず、あらゆる分野で、子どもの着眼点には学ぶべきものが多いかもしれない。



■トラックバック送信先



■関連リンク
移動コンビニ作ったら…“こども取締役”提案 (読売新聞) - goo ニュース



■関連エントリー





日本からコンビニがなくなる日!
高久 永道
ベストブック (2002/06)
売り上げランキング: 145,332



コンビニ ファミレス 回転寿司
中村 靖彦
文藝春秋 (1998/12)
売り上げランキング: 283,942



コンビニの仕事が見える図鑑
竹内 稔
日本実業出版社 (2003/05/22)
売り上げランキング: 177,517



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 中身のないエントリーを続けているのは、もちろん多忙になっているからであり、ストックが尽きたからである。しかしながら、今月は毎日エントリーすると密かに目標をおいていたので、無理矢理にでもエントリーしていた。サイドバーのカレンダーが歯抜けになっているのがどうも嫌なのである。

 で、今回は真面目にエントリー。

 萌えビジネスが市場として一躍認知され、オタクをターゲットにしたビジネスが市民権を得た2005年であったが、今までの方法を横にずらす発想も出てきたようだ。

アキバBlog:「お帰り!お兄ちゃん」妹系カフェ「Pash Cafe NAGOMI」が開店するみたい

 2年位前からメイド喫茶はメディアには取り上げられていたし、今年に入って、そのワードは市民権を得たように思うのだが、競争が激しくなっているのだろう。妹系カフェとは恐れ入る。

 メイド喫茶のように格好はメイドのまま。言うセリフが、「お帰りなさいませ、ご主人様」から「お帰り、お兄ちゃん」に変わるだけのようなのだが、それでもこの違いはオタクの心をくすぐるように思う。

 設備投資に何の追加もせずに、キャラクター設定を変えるだけで市場が広がるという点に、萌えビジネスの潜在力を垣間見る気がする。キャラクターが主役の市場になると、アイデアがより大きくものを言うのかもしれない。



■トラックバック送信先



■関連リンク
アキバBlog:「お帰り!お兄ちゃん」妹系カフェ「Pash Cafe NAGOMI」が開店するみたい



■関連エントリー





萌え経済学
萌え経済学
posted with amazlet on 05.11.13
森永 卓郎
講談社 (2005/10/30)
売り上げランキング: 80,066



萌え萌えジャパン 2兆円市場の萌える構造
堀田 純司
講談社 (2005/04/01)
売り上げランキング: 6,744



最強萌系メイド喫茶ガイド

ミリオン出版 (2005/05/31)
売り上げランキング: 1,329



全日本女子バレー フォトブック「球萌え。」
マガジンハウス
マガジンハウス (2005/11/11)



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
雨の漢字はいったい何個あるのか? | Excite エキサイト : ニュース

 なかなかおもしろい切り口のレポートだった。日本って梅雨という季節があるだけに、多様な雨に関することばを生み出しているわけだ。



■トラックバック送信先



■関連リンク
雨の漢字はいったい何個あるのか? | Excite エキサイト : ニュース



■関連エントリー





横書き登場―日本語表記の近代
屋名池 誠
岩波書店 (2003/11)
売り上げランキング: 140,223



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
ニュースと私(55) みかんの食べ方

 柑橘類は苦手な方なのだが、なぜか二日続けて話題を見つけてしまった。

Japanese JoongAngIlbo:中央日報:【写真】 ハートの形をしたミカン

 これはおもしろいものをつくったなあと思う。しかし、色合いを見るとすっぱそう。糖度を高めたと言っているが。。。



■トラックバック送信先



■関連リンク
Japanese JoongAngIlbo:中央日報:【写真】 ハートの形をしたミカン



■関連エントリー
ニュースと私(55) みかんの食べ方





musiQ
musiQ
posted with amazlet on 05.11.10
ORANGE RANGE Gerry Goffin
ソニーミュージック
エンタテインメント
(2004/12/01)
売り上げランキング: 812



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
正しいみかんの食べ方は存在する? | Excite エキサイト : ニュース

 白い筋には大変な栄養分が入っていると聞いたことがある。あまり取らない方がよいんじゃないの?



■トラックバック送信先



■関連リンク



■関連エントリー





musiQ
musiQ
posted with amazlet on 05.11.10
ORANGE RANGE Gerry Goffin
ソニーミュージック
エンタテインメント
(2004/12/01)
売り上げランキング: 812



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
『昭和天皇とその時代』


昭和天皇とその時代



河原敏明『昭和天皇とその時代』(文春文庫 2003/07)

※河原敏明『天皇裕仁の昭和史』(文芸春秋 1983年)を1986年文庫化にあたり増補。2003年、全面改訂にあたり、増補・改題。

内容紹介:
『天皇裕仁の昭和史』の完全決定版!
現代史最大の主役・昭和天皇の八十七年にわたる日々を知られざるエピソードを交えて辿り、「昭和」という激動の時代を描いた歴史巨篇

読書期間:2005/10/13-10/26
評価:★★★☆☆(3点/5点)


 初出は1983年と古いものの、昭和天皇崩御の後、増補しているということで、新たな研究も踏まえた内容と思って読んでみたのだが、さにあらず。少々残念な内容だった。

 全体的な傾向としては、昭和天皇の人生それぞれの時代が満遍なく描かれている点と、天皇の周囲のエピソードに詳しいという点とが挙げられると思う。

 僕が期待するところとしては、大正の摂政時代からポツダム宣言受諾後の時代の政治的な局面でのエピソードに厚いことや、戦後の戦争責任の解釈について踏み込んでいることだったので、いささか筋違いの期待を寄せてしまったというかたちだ。

 集大成ということで、文字通り浅く広くの内容をまとめたのが本書だろう。昭和天皇初心者にとってはその興味を増幅してくれる一冊には間違いない。特に、その崩御から17年経った今となっては、映像ででもその姿を見たことのない者は多いと思う。かく言う僕だって、その崩御に接したのはまだ小学生か中学生のあたりだ。

 しかし、僕としては前述の通り、期待するものはもう少し深いものだった。しかるに、戦中のエピソードは他の書籍で目にしたことのあるものばかりだったし、皇太后などのエピソードに傾く向きもあり、うんざりする。

 皇太后などのエピソードは、著者自身が別の書籍を発刊しているので、蛇足としか思えない。

 まあ、戦中のエピソードについては数多くの著作が出ているし、新たなエピソードを期待するのは酷だったのかもしれない。しかし、皇室ジャーナリズムを開拓したとプロフィールで謳うならば、戦後の戦争責任解釈について、天皇本人の言を厚くすることはできなかったものかと物足りない。

 海外諸国訪問時の公式発表の言をひっぱって、それを批評するにとどまり、記者としてのスクープはとれていないのである。戦争を「悲しい出来事」と表現するにとどまっていた昭和天皇だが、それについての批判は、僕の幼い頃に各紙で目にしたものである。

 そういう時代もあったなあと懐かしく思うと共に、踏み込んだ新事実がなければ、皇室ジャーナリストの価値を発揮できていないのではないかという印象だ。

 どうもこの著者、天皇ご本人のエピソードよりは皇族、特に女性についてのエピソードに詳しい傾向がある。また、宮内庁などの組織の悪事の暴露においても価値を発揮するようだ。そうすると、僕の求めるものとは合致しないので、どうしても評価は下がってしまうのだった。



■トラックバック送信先



■関連リンク



■関連エントリー
書籍と私(13) 『後藤田正晴―異色官僚政治家の軌跡』
駄ブログ:書籍と私(9) 『昭和史と私』
駄ブログ:書籍と私(5) 『日本海軍の興亡』
駄ブログ:書籍と私(3) 『瀬島龍三 参謀の昭和史』
駄ブログ:書籍と私(1) 『日本陸海軍の生涯』





昭和天皇とその時代
昭和天皇とその時代
posted with amazlet on 05.10.31
河原 敏明
文芸春秋 (2003/07)
売り上げランキング: 309,843



昭和天皇独白録
昭和天皇独白録
posted with amazlet on 05.10.31
寺崎 英成 マリコ・テラサキ・ミラー
文芸春秋 (1995/07)
売り上げランキング: 10,880



昭和天皇語録
昭和天皇語録
posted with amazlet on 05.10.31
黒田 勝弘 畑 好秀
講談社 (2004/01)
売り上げランキング: 80,329



聖断―昭和天皇と鈴木貫太郎
半藤 一利
PHP研究所 (2003/08)
売り上げランキング: 31,058



陛下の御質問―昭和天皇と戦後政治
岩見 隆夫
文藝春秋 (2005/05)
売り上げランキング: 126,196



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
『世間を読み、人間を読む 私の読書術』


世間を読み、人間を読む―私の読書術



阿部謹也『世間を読み、人間を読む 私の読書術』(日経ビジネス人文庫 2001年10月)

※阿部謹也『読書力をつける(「知のノウハウ」シリーズ)』(日本経済新聞社 1997年3月)を文庫化にあたり増補・改題

内容紹介:
「本を読むことは、人を読み、世界を読むこと」「読書は社会の中での自分の位置を知るためのもの」「教養には個人の教養と集団的教養がある」―碩学の歴史家が、自分の生きる世間の構造を解き明かし、自分の中に流れる歴史をつかみ取る「知のノウハウ」の真髄を語る。

読書期間:2005/10/11-10/28
評価:★★☆☆☆(2点/5点)


 阿部先生の出世作『ハーメルンの笛吹き男』を学生時代に初めて読んだときには、それこそ目から鱗が落ちる思いがしたものだった。

 そんな史学の先生の著作が、日経ビジネス人文庫などというところから出版されているのを不思議に思って読んでみた。

 読んでみると、言外に『「世間」とは何か』や『「教養」とは何か』を読みなさいと言われているように感じる。本書は、この二作を平易に書いたものという感じがしたのだ。

 展開される論理も同じものの繰り返しという感じがし、あっちへ脱線しこっちへ脱線しといった印象である。阿部先生の学説を浅く徘徊しているような感じだ。そうなると、阿部先生のこれまでの学説をおおかた把握していれば、大して目新しい感じはしない。

 また、文庫化の増補として加えた文章は、講演の記録であり、本論と別の場面での論になるのだが、講演で話していることが本論と矛盾する部分も出てきており、釈然としない。阿部先生の心底にあるものが共通していることはわかるのだが、字面では正反対なので、読者の誤解を招かないかと心配である。

 総じては高校生や大学一年生向けの書籍といった印象を受けた。

 ビジネスマンにとって有用な論が書かれているかといえば、そうではないのである。ビジネスマンにしてみれば、情報を捉える技術を求めていると思うのだが、もちろん本書ではそうしたものは提供していない。視点や視角を提供しているわけだが、それがビジネスマンにとって直接有用かというと、かなり遠回りをした考え方の提供だという印象である。

 辛口な評価になる結果を生み出したものは、編集者の企画ミスという点につきると思う。

 ビジネスマン向けの書籍として阿部先生を著者に選ぶのがそもそも首をひねる。また、阿部先生が忙しいというので、阿部先生が「語る」のを編集者が文字におこすという作業を選んだらしい。この結果、話にまとまりが出ず、浅い印象を与えてしまった。また、文庫としての増補部分に問題がある点は、前述の通りである。

 そういうわけで、この一冊は読むに値しないと思うのだが、久しぶりに『ハーメルンの笛吹き男』や『「世間」とは何か』を読んでみたいという意欲を与えてくれるという点ではよかったかと思う。



■トラックバック送信先



■関連リンク



■関連エントリー





世間を読み、人間を読む―私の読書術
阿部 謹也
日本経済新聞社 (2001/10)
売り上げランキング: 112,412



ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界
阿部 謹也
筑摩書房 (1988/12)
売り上げランキング: 18,283



「世間」とは何か
「世間」とは何か
posted with amazlet on 05.10.30
阿部 謹也
講談社 (1995/07)
売り上げランキング: 34,579



「教養」とは何か
「教養」とは何か
posted with amazlet on 05.10.30
阿部 謹也
講談社 (1997/05)
売り上げランキング: 46,230



阿部謹也著作集〈3〉中世を旅する人びと
阿部 謹也
筑摩書房 (2000/01)
売り上げランキング: 496,742



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 新聞を購読していないもので、見落としているニュースがよくある。ネットで情報収集しているのだが、同じ大きさの見出しを見落とせば、重要なニュースと関わりをもつ機会はなかなか来ない。「ニューズウィーク」日本版を読んでいて、びっくりしたものだ。

CNN.co.jp : ローザ・パークスさん死去、米公民権運動の「母」 ? - USA

1955年に米アラバマ州で白人男性にバスの席を譲ることを拒否したため逮捕され、本格的な米公民権運動開始のきっかけを作ったローザ・パークスさんが24日夜、デトロイトで亡くなった。92歳だった。親族が明らかにした。


 先週の「ニューズウィーク」を買っていなければ、この事実を知ることはできなかったわけで、危ないところだった。

 ローザ・パークスといって、その名前を知っている日本人はどのくらいいるのだろうか?公民権運動の代表的存在と言われても、マーティン・ルーサー・キング牧師しか浮かばない人がほとんどだろう。あるいは映画を見たことから、マルコムXまで知っている人もいるかもしれない。

 かく言う僕も、ローザ・パークスを知ったのは高校時代の英語の教科書に出てきたことからだった。いや、記憶が定かでないから、もしかしたら副読本の教材に取り上げられていたのかもしれない。

 その時点で、僕はキングとマルコムXとしか知らなかったのだが、英文の勉強を通して彼女の功績を知ることになり、公民権運動の象徴として三人目の名前を記憶に刻むことになる。しかしながら、その後の人生において、彼女の名前に触れる機会は、残りの二人に比べるとほとんどなかったに等しかった。

日米タイムズ記者通信:公民権運動の母を悼む

 上記に説明してあるように、彼女がいたからこそ公民権運動はあったわけで、彼女の名前は日本人も知っておくべきだと思う。掲載されている合衆国のバス車内の写真については、その意を汲むよい企画だと思う。日本でもより詳しいプロフィールをもっと多くの人々に知ってもらいたいとも思う。

 実はいまもって存命中だったということも知らなかったわけだが、その訃報に接して、改めて人権の重さに思い至ることができた。人間が平等であることの理想と現実、その乖離の克服についての道のりというのは、本当に重いものだと思う。

 海の向こうからご冥福をお祈りしたい。合掌。



■トラックバック送信先
日米タイムズ記者通信:公民権運動の母を悼む
アートを楽しく ―アートを身近に楽しんで頂けたら―:■一人の婦人が世界を:ローザ・パークス女史を悼んで(2005.10.28)



■関連リンク
CNN.co.jp : ローザ・パークスさん死去、米公民権運動の「母」 ? - USA



■関連エントリー
ニュースと私(49) 後藤田正晴氏逝去
映画と私(31) 『ジョンQ 最後の決断』
映画と私(23) 『チョコレート』





ローザ・パークス自伝
ローザ パークス Rosa Parks
高橋 朋子
潮出版社 (1999/09)
売り上げランキング: 309,584



キング牧師とマルコムX
上坂 昇
講談社 (1994/12)
売り上げランキング: 41,225



私には夢がある―M・L・キング説教・講演集
クレイボーン カーソン
クリス シェパード
Clayborne Carson Kris Shepard
梶原 寿
新教出版社 (2003/07)
売り上げランキング: 330,917



マーティン・ルーサー・キング自伝
クレイボーン カーソン
Clayborne Carson
梶原 寿
日本基督教団出版局 (2002/01)
売り上げランキング: 290,094



マルコムX
マルコムX (DVD)
posted with amazlet on 05.11.06
パラマウント・ホーム・エンタ
テインメント・ジャパン
(2005/08/19)
売り上げランキング: 2,164



完訳マルコムX自伝 (上)
マルコムX 浜本 武雄
中央公論新社 (2002/03)
売り上げランキング: 59,614



完訳マルコムX自伝 (下)
マルコムX 浜本 武雄
中央公論新社 (2002/03)
売り上げランキング: 68,368



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
『ブラザーズ・グリム』
【※ネタバレあります※】


原題:THE BROTHERS GRIMM
製作年:2005年
製作国:米国/チェコ  117min.

監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン/ヒース・レジャー/モニカ・ベルッチ/ジョナサン・プライス/レナ・ヘディ/ピーター・ストーメア/リチャード・ライディングス/マッケンジー・クルック/ロジャー・アシュトン=グリフィス/ローラ・グリーンウッド


ブラザーズ・グリム
ブラザーズ・グリム - goo 映画
ブラザーズ・グリム@映画生活
ブラザーズ・グリム - allcinema ONLINE


内容紹介:
「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」の奇才テリー・ギリアム監督がグリム童話誕生秘話をイマジネーション豊かに描き出したダーク・ファンタジー・コメディ。地方の村々を巡り民間伝承を蒐集するかたわら、魔物退治と偽り村人から多額の報酬を得ていたペテン師まがいのグリム兄弟が、ある時本物の魔女と対決するハメになるさまを、『赤ずきん』『ヘンデルとグレーテル』『眠れる森の美女』などのエッセンスを散りばめつつ、VFXを駆使したファンタジックで悪夢的な映像で綴ってゆく。
 19世紀のドイツ。兄ウィルと弟ジェイコブのグリム兄弟は各地の村を旅して、その地に伝わる古い物語を集め回っていた。その一方で、村人たちを苦しめている恐ろしい魔物がいればそれを退治し、賞金を手にしていた。ところが、魔物の正体は兄弟とその助手たちがでっち上げたイカサマだった。しかし、それがバレて将軍ドゥラトンブに捕まった兄弟は、ある村で起きている少女連続失踪事件の解明を命じられるのだが…。

評価:★★☆☆☆(2点/5点)
焦点が絞れず中途半端な仕上がり
・2005/11/05 MOVIX橋本


 「グリム」と冠したタイトルの映画が上映されると知って、非常に興味深く思ったものだが、予告編を見てそのストーリーを知り、B級くささがして期待はできないかなという印象をもったものだ。

 B級でも『スリーピー・ホロウ』のようなレベルの高い作品もあることを考え、とりあえず観にいったのだが予感が当たってしまった。緊張と緩和が欠如している点、焦点が絞られていない点が失敗の原因という印象である。

 この映画はファンタジーなのか、ミステリーなのか、ヒストリーなのか、ホラーなのか、ロマンスなのか。印象としては、そのいずれをも取り込もうとして、いずれを描くにも中途半端な結果に終わってしまっている。もっと深く突っ込めば、観ている者の心をつかめたものが、どれも浅く説明不足な描写しかできていないため、物語に入っていけない。

 この浅い描写は、緊張感の欠如でもある。緊張が欠如しているから、随所に散りばめられたコメディーが全く生きていない。緊張感や恐ろしさがあるからこそ、ふとしたくすぐりが面白く感じられて笑いに転化するわけで、これだけ多くのくすぐりを挿入するのであれば、緊迫感の構築をもっと丁寧にやらなければならなかったと思う。

 焦点が絞れていないというのは、観る者が安定した位置を獲得できないということであり、集中力が散漫になってしまう。例えば、森の呪いの謎について、次々と起こる不可思議な事件についての原因は、最後まで詳細明らかにはならなかった。森の王女の呪いという一言で説明してしまうのは雑すぎる。

 なぜ村人は永遠の命の魔法しか教えず若さを保つ方法は教えなかったのか。スライムみたいな生物は何だったのか。科学的であれ非科学的であれ、謎のある事件の原因は明かすことが物語の原則だろう。原因を明かさないことで主題を提示する方法もあるだろうが、この作品については純粋なエンターテインメントであるので、その方法を当てはめるのはすっきりできない感覚を残す効果しか持たない。

 ミステリーに限らず、ファンタジー、ホラー、ロマンス、ヒストリーと万事がこの調子で、あらゆる方向性についての描き方が浅すぎる。『スリーピー・ホロウ』が全てをバランスよく描ききったのと比べると、雲泥の差である。

 ヨーロッパ中世の世界が描かれている作品は映像に関しては好みのジャンルで、『ブラザーズ・グリム』もまた、その映像については大満足なのだが、いかんせんストーリーの構築が稚拙だった。残念である。



■トラックバック送信先
ネタバレ映画館:ブラザーズ・グリム
試写会帰りに:「ブラザーズ・グリム」
Akira's VOICE:ブラザーズ・グリム
★☆★ Cinema Diary ★☆★:ブラザーズ・グリム
シカゴ発 映画の精神医学:ブラザーズ・グリム
エンドロール5分後の叫び!:ブラザーズ・グリム
31歳独身男Kazuakiの映画日記:ブラザーズ・グリム
ひらりん的映画ブログ:★「ブラザーズ・グリム」
空想俳人日記:ブラザーズ・グリム
Chic & Sweet * びいず・びい:ブラザーズ・グリム(試写会) -THE BROTHERS GRIMM-
☆ 163の映画の感想 ☆:映画館「ブラザーズ・グリム」
晴れ、ときどき 三匹と一緒。:「ブラザ-ズ グリム」
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!:ブラザーズ・グリム
映画語るドットコム | ブラザーズ・グリム BROTHERS GRIMM
太郎日記’79J | 映画:ブラザーズ・グリム
ルーピーQの活動日記: ■ブラザーズ・グリム
★SASASAWAのよくばり日記★★☆:☆★★ 『ブラザーズ・グリム』観ました ★★☆(画像あり)
KINGDOM OF KATHARINE:ブラザーズ・グリム@川崎チネチッタ:平日夕方
toe@cinematiclife:ブラザーズ・グリム
利用価値のない日々の雑学:ブラザーズ・グリム



■関連リンク
ブラザーズ・グリム
ブラザーズ・グリム - goo 映画
ブラザーズ・グリム@映画生活
ブラザーズ・グリム - allcinema ONLINE



■関連エントリー
映画と私(41) 『ロビン・フッド』
映画と私(35) 『エバー・アフター』
映画と私(14) 『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』





スリーピー・ホロウ <コレクタ-ズ・エディション>
ポニーキャニオン (2000/09/20)
売り上げランキング: 6,600



シンデレラ プラチナ・エディション (初回限定生産)
ブエナビスタ・ホームエンター
テイメント (2005/10/21)
売り上げランキング: 16



完訳 グリム童話集〈1〉
W. グリム J. グリム 金田 鬼一
岩波書店 (1984/01)
売り上げランキング: 15,755



昔話の深層―ユング心理学とグリム童話
河合 隼雄
講談社 (1994/02)
売り上げランキング: 12,547



本当は恐ろしいグリム童話
桐生 操
ベストセラーズ (2001/01)
売り上げランキング: 23,907



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
 先日、TBS深夜放送の『バース・デイ』を見ていた。『ZONE』の血をひく番組で、スポーツに限らないが、主にアスリートの裏側を追っていく番組である。

 今週の特集は、日本一を決めた千葉ロッテマリーンズの初芝清選手だった。先日のマリーンズの裏側の特集を見逃してしまっていたため、同じ失敗は二度繰り返さないように、必至でチェックした。

 感想としては、『バース・デイ』のような番組にかかってしまうと、初芝選手のような人でも、まじめな一選手に作り上げられてしまうのだなというものである。

 この特集では、初芝選手の魅力が全く伝わってこなかったのだ。現役生活で優勝と縁のなかった選手が、引退を発表した後、初の日本一を経験するという物語に仕上がったわけだが、これでは一般的なプロ野球選手の一人として、あまりにも平板な印象しか残らない。

 なぜ初芝選手があんなにも愛されたのか、その魅力を伝えることには完全に失敗しているわけで、真面目な番組の弱点である。



 初芝選手は、パシフィック・リーグびいきである僕としても、思い入れの深い選手である。これを機に、思いを書き留めてみたい。

 マリーンズが本拠地とするのは、千葉マリンスタジアム。海の近くである。潮のにおいが強く、球場に観戦に行って帰る頃にはすっかり肌が潮でベトベトしてしまう球場である。海風が非常に強いのだ。その影響で、フライの打球はふらふらと右往左往しながらポトリと落ちる。

 マリンスタジアムでサードにあがるファールフライを、僕は心待ちにしたものだった。落としても直接的な被害は受けないファールフライである。それがフラフラと上がると、三塁手がドタドタと落下点へと走る。いまどき珍しく、アンダーソックスを黒々と見せて地面を揺らすその背番号は6番。打球が右往左往するのに合わせてあっちへドタドタ。こっちへドタドタ。そして最後にはダイビングキャッチ!を試みるも、必ずフライを落としてしまう。

 このコミカルな動きに初芝選手の魅力は集約されている。マリンスタジアムに来るファンは、サードへのファールフライを心待ちにしているのである。アウトのチャンスをフイにするも憎めない、そんな姿が、「ロッテ」というチームを象徴しているようで、みんな彼に夢中になってしまう。ミスターロッテと呼ばれる由縁である。



 2002年のシーズンだっただろうか。西武ライオンズがペナントレース制覇へ向けてマジック1となった試合。その対戦相手は千葉ロッテマリーンズだった。当時のマリーンズは、胴上げ阻止率100パーセントを誇る素晴らしいチームだった。

 この試合、チームはその実力をいかんなく発揮する。初芝選手が決勝の打点を放ち、9回のマリーンズの守備。マウンドに立つのは勿論守護神小林雅英投手で、ライオンズの胴上げは持ち越し濃厚となっていた。

 ここで平凡なサードゴロが飛ぶ。背番号6番はその何でもないゴロを捕り損ねる失態を犯してしまう。勝敗には関係ないところでエラーをしてくれて、野球というエンターテインメントを存分に堪能させてくれる初芝選手を、人は愛をこめてファンタジスタと呼ぶ。

 勝利打点を放ったので、その日のお立ち台は初芝選手だったわけだが、「最後はやっちゃってすいませんでした」と照れながら笑う初芝選手に、みんなは笑い、一層の親近感をおぼえていた。



 少し真面目な話をしよう。打点王をとったこともある初芝選手なので、その打棒たるやというイメージがあるかもしれない。しかし、粗いバッティングがその本質だったと僕は感じる。弱いチームで過ごしてきただけに、自分の成績を優先する態度が染み付くのは当然のことだと思う。

 そういう姿が発露した場こそ、プレーオフ決勝の対福岡ダイエーホークスの最終戦だと僕は思う。代打で出場した初芝選手は、高めの球に手を出し、ボテボテのゴロが三遊間に飛んだ。運良くホークスのサードショートの交錯を呼び、後続がヒットを打って初芝選手はホームに生還、これが決勝点となって、マリーンズは日本シリーズの切符を手にすることになった。

 『バース・デイ』では、引退を決めた男の勝利への執念が呼んだエラーという具合に描かれていたが、これは美しい物語を試みようとしすぎである。だからこそ、『バース・デイ』は初芝選手を平凡にしか描けずに失敗した。あの打球には、弱いチームで生きてきた選手の悲哀と、ファンに笑いを与え続けてきた選手が呼んだ最後の「笑い」という裏表がかいま見られるのだ。



 惜しむらくは、初芝選手が最後に優勝を経験してしまった点にある。彼の野球人生を考えれば、優勝経験をしたことはよいことではある。しかし、優勝経験をしてしまったことは、「ミスターロッテ」を冠するには何か違和感が出てくるのだ。そういう意味で、「ミスターロッテ」の王道を歩んだのは園川投手だったなあという思いもする。「園川の前に園川なし。園川の後に園川なし。」である。



 初芝選手に寄せる思いは、ファンの一人一人にいろいろなかたちであると思う。関連リンクでご紹介する各記述をご参照いただきたい。間違いないのは、誰もが初芝選手を愛していたということだ。



■トラックバック送信先



■関連リンク
初芝清 - Wikipedia
はてなダイアリー - 初芝清とは
大河ドラマ初芝清(○з○)
千葉ロッテマリーンズAA 初芝清
切込隊長BLOG(ブログ) - 初芝の思い出
FUJI Ⅱ’S WEB SITE:初芝清
マリンブルーの風

最後のオリオン 園川一美



■関連エントリー
野球と私(36) 主催者に残された課題
野球と私(35) マリーンズの底力
野球と私(14) 西口投手











1988年10・19の真実―「近鉄‐ロッテ」川崎球場が燃えた日
佐野 正幸
光文社 (2004/10)
売り上げランキング: 63,548



南海ホークスがあったころ―野球ファンとパ・リーグの文化史
永井 良和 橋爪 紳也
紀伊国屋書店 (2003/07)
売り上げランキング: 99,001
通常2~3日以内に発送



1988年『10・19』の真実―平成のパリーグを変えた日
佐野 正幸
新風舎 (1999/05)
売り上げランキング: 89,601
通常3~4日以内に発送



パ・リーグを生きた男 悲運の闘将西本幸雄―悲運の闘将西本幸雄

ぴあ (2005/03)
売り上げランキング: 9,306
通常3~4日以内に発送



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
ブロガー注目記事ランキング - CNET Japan

 CNETJapanのサイドバーの様子が何だか変わっている気がした。よく見るとテクノラティのロゴがある。早速クリックすると、上記のページへ。

テクノラティジャパン、シーネットネットワークスジャパンと共同でニュースサイトCNET Japan上に『ブロガー注目記事ランキング』を提供 プレスリリース - ZDNet Japan

多くのブログでは、CNET Japanの記事を引用する際に、エントリー(ブログの記事)内にその記事のリンクを記述しています。『ブロガー注目記事ランキング』では、このリンクを集計してリンクの数が多かった記事を人気記事とし、CNET Japan上でランキング表示します。リンクの集計にはテクノラティジャパンのブログ検索エンジンを使います。

シーネットネットワークスジャパンでは、すでにCNET JapanおよびZDNet Japan(リンク)上でトラックバックやRSSに対応し、ブログと親和性のある機能を提供してきました。今回提供する機能は、拡大するブログのネットワークで話題となっている情報を、多くの読者に知らしめるものとして提供します。


 ビジネス向けのニュースサイトとは言え、CNETJapanとZDNetJapanは確かにいち早くブログに対応したRSSやトラックバックを提供してきたので、これもまた当然といえば当然の流れだろう。日本のブログが個人向けの日記の内容が中心になっていることから、親和性は薄いという気もするけれど、ブログ自体はIT系の話題を扱うものは意外と多いし、これはおもしろい試みだと思う。

 機能的にはBULOGNAVIが提供しているものという感じだけど、これをテクノラティと組むのもおもしろい。外資同士のタッグという点でも、何か憶測したくなるものがある。

 まあ、利便性という点で、ITニュースで何に注目が置かれているかわかるのはよい。BLOGNAVIだと、いろいろな情報が拡散してしまっていて、注目ニュースの焦点がしぼれていない。また、ニュースサイトやポータルサイトのニュースフィードにリンク先が拡散してしまい、主要ニュースが浮き上がってこない側面もある。

 注目サービスである。



■トラックバック送信先



■関連リンク
テクノラティジャパン、シーネットネットワークスジャパンと共同でニュースサイトCNET Japan上に『ブロガー注目記事ランキング』を提供 プレスリリース - ZDNet Japan
ブロガー注目記事ランキング - CNET Japan

テクノラティ
BLOGNAVI



■関連エントリー
ブログと私(31) ブログ査定
Webサービスと私(41) ZDNetJapan開始から2ヶ月





アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか
松本 晃一
ダイヤモンド社 (2005/01/28)
売り上げランキング: 3,038



最新WebサービスAPIエクスプロ-ラ ~Amazon、はてな、Google、Yahoo! 4大Webサービス完全攻略
Software Design 編集部
技術評論社 (2005/09/23)
売り上げランキング: 6,326



とっておきの秘技 Google検索の秘伝書
持丸 浩二郎 蒲生 睦男
シーアンドアール研究所 (2005/06)
売り上げランキング: 5,245



グーグる! Googleで知識が100倍増える本
インターネットマガジン編集部
インプレス (2004/03/30)
売り上げランキング: 75,857



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
映画と私(41) 『ロビン・フッド』

 上記のエントリーをしようとしていたときに、偶然見つけたAmazon.comの機能。

Amazon.com: Quotes & Trivia: Robin Hood - Prince of Thieves (Two-Disc Special Extended Edition) (1991)

 引用とトリビアということで、なかなかおもしろいコンテンツに仕上がっている。

 日本のAmazonばかりを見ていると、商品は網羅しているものの、どうも一つ一つのページのコンテンツが薄いという印象があった。Google検索でいつもトップに表示されるAmazonのページだが、そこを訪れても商品が買えるというだけで、情報収集には何とも心もとない。

 そういう問題を、米国では解消する試みが既に行われているわけだ。

 見つけたのは映画のDVDのページであるが、劇中のセリフの一部が文字におこされ、検索のヒット率もあがるだろう。ここでこういうセリフがあった映画は何だっけと思ったときに、検索でヒットしてくれるわけである。

 また、トリビアというのもよいコンテンツだ。映画制作の周辺エピソードが付されていておもしろい。トリビアは日本で流行っているだけで、海外輸出していても、そんなに広まっていないと思っていたのだが、Amazon.comがこの言葉を採用しているということは、全米でも知名度を得ている言葉なのだなあ。

 しかし、Googleと同じ方向を目指そうとしているなあという印象だ。図書館から本を借り出し、その内容をサーバーにアップしてしまおうという最近のGoogleの試みがすぐに連想される。ここ一週間でメディアの注目度が高いAmazonとGoogleなわけだが、その一端を見る思いがする。

 AmazonJapanはまだそういう段階ではないかもしれないが、一刻も早くページごとのコンテンツの充実をはかってほしく思う。



■トラックバック送信先



■関連リンク
Amazon.com: Quotes & Trivia: Robin Hood - Prince of Thieves (Two-Disc Special Extended Edition) (1991)



■関連エントリー
映画と私(41) 『ロビン・フッド』
Webサービスと私(48) Googleの自社コンテンツ?








アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか
松本 晃一
ダイヤモンド社 (2005/01/28)
売り上げランキング: 3,038



最新WebサービスAPIエクスプロ-ラ ~Amazon、はてな、Google、Yahoo! 4大Webサービス完全攻略
Software Design 編集部
技術評論社 (2005/09/23)
売り上げランキング: 6,326



とっておきの秘技 Google検索の秘伝書
持丸 浩二郎 蒲生 睦男
シーアンドアール研究所 (2005/06)
売り上げランキング: 5,245



グーグる! Googleで知識が100倍増える本
インターネットマガジン編集部
インプレス (2004/03/30)
売り上げランキング: 75,857



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
『ロビン・フッド』
【※ネタバレあります※】


ロビンフッド 特別編集版 スペシャル・エディション
原題:ROBIN HOOD: PRINCE OF THIEVES
製作年:1991年
製作国:米国  143min.

監督:ケヴィン・レイノルズ
出演:ケヴィン・コスナー/モーガン・フリーマン/クリスチャン・スレイター/メアリー・エリザベス・マストラントニオ/アラン・リックマン/ニック・ブリンブル/マイケル・マクシェーン/マイケル・ウィンコット/ジェラルディン・マクイーワン/ダニエル・ニューマン/ジャック・ワイルド/ショーン・コネリー


ロビン・フッド<プリンス・オブ・シーヴズ> - goo 映画
ロビン・フッド@映画生活
ロビン・フッド - allcinema ONLINE


内容紹介:
12世紀後半のイギリス。十字軍遠征より帰還した貴族ロビンは獅子王リチャード不在の間に変わり果てた故郷の姿を見る。圧政を強いるノッティンガムの代官に立ち向かうべく、ロビンはシャーウッドの森を居城とし仲間と共に戦いを開始した。最もパワフルでスピーディーなロビンフッド映画で、その古色蒼然とした題材からは想像つかないアクション・シーンが展開される。ペン・デンシャムとジョン・ワトソンの濃密度の脚本を、これが初の大作となったK・レイノルズがダイナミックに映像化。決して巧妙ではなく、どちらかというとプリミティブな演出スタイルだが、本作には良くマッチしている。時代考証やリアリティの不備など語るに足らず、ロマンスあり笑いありで2時間半を一気に見せる極上の一大冒険娯楽活劇。感涙必至のスペシャル・ゲストあり。

評価:★★★★★(5点/5点)
冒険物の王道。ストーリーよし。脇を固める俳優の演技よし。
・2005/11/01 衛星第二(録画)


 久しぶりに観賞して、いまは見る影もないけれども、ケビン・コスナーの映画は好きなものが多いなあという思いを新たにした。映画館と僕の関係の歩みを考える中で、東映マンガ祭りなどのアニメを卒業して、洋画を見るようになったきっかけは、『ロビン・フッド』の予告編だったと思う。結局上映を見に行ったかどうかは覚えていないのだけれど、予告編だけは印象的な記憶として今も残っている。僕の思春期の映画館には、ケビン・コスナー主演の映画があふれていた。

 そんなことを思いながら見ていたのだけれど、ストーリー展開はやはりおもしろい。古典から題材をとってきただけあって、王道の安心感があるし、ヘタな脱線もないのがよい。物語のいろいろなところに伏線がまかれていて、それを収束させる小気味よさもレベルが高いと感じた。



 脇を固めるモーガン・フリーマンとアラン・リックマンもよかった。モーガン・フリーマンは異国の地でロビンに従うアジームとして、いい味出していたと思う。もともとシブい役回りなのに加えて、クライマックスで民衆を鼓舞するシーンはなかなかいい。"I have fulfilled my vow."のセリフもまたかっこいい。アラン・リックマンはというと、独特の演技で、悪役を印象深く演じている。また、最後に「自分だって一度は清いことをしたいのだ」と発言するように、悪役なりに筋が一本通っているのがいい。

 いっぽうで、90年代の価値観だなあと思わせるシーンが多々見られたのがロビンのキャラクター造詣で、あまり魅力的には感じられなかった。中世を舞台にしながら、十字軍の参戦の経験から人間が平等であるという思想に辿り着かせるのは安易すぎる。アジームや森の民を味方に引き込むには仕方ないのかもしれないけれども、この安易さは古い価値観を思わせる。

 けれども、ロビンは究極的にはリーダーであることを好む。だから、森の民たちの間に突然入っていったにも関わらず、自分が今日からリーダーになると勝手に宣言し、自分の価値観を彼らへ押し付ける。人間は平等であるという思想との矛盾が見られるにも関わらず、ロビンには葛藤はない。安易なキャラクター設定をしたものだ。



 劇中の弓矢を射るシーンはどれも印象的な描き方ばかりで、その点はかなり好きだ。カメラを射られた矢に乗せて、前の矢をパックリと二分させたりとか、ロビンが炎をバックに火矢を射るシーンがそれだ。どうせならウィリアム・テルのリンゴのエピソードも借りてきてもよかったかもしれない。少しあざといか。。。

 ラストの特別ゲストもまたよかった。とびきりのサプライズだろう。最後にこの人が全部もっていってしまった感もある。やっぱり存在感がある。

 それを補うかのように、キスシーンを濃く描いて映画は終了するわけだが、ラストの神父の一言が気になった。

 神父はこう言う。"Come on, get out of it. We waste good celebration time."

 僕が見た桜井裕子氏翻訳のテロップはこうだ。「その辺にしとけ 早く酒を飲ませろよ」。神父が大の酒好きであることを踏まえてのセリフだ。

 でも、僕が今まで何度となく見てきた民放放送の吹き替えではこう言っていたような気がする。「おいいい加減にしろよ。熱すぎて森が火事になっちまう」

 比べてみると吹き替えもなかなかおもしろい。基本的に吹き替え版は見る気がしていなかったのだが、声優や翻訳の頑張りを再評価しようと思った。神父や代官の声などは、吹き替え版のほうが印象的でキャラクターが立っているのだ。次に民放で流れるときには、こんなところも注意して見てみたい。



■トラックバック送信先



■関連リンク
ロビン・フッド<プリンス・オブ・ウェールズ> - goo 映画
ロビン・フッド@映画生活
ロビン・フッド - allcinema ONLINE



■関連エントリー
映画と私(35) 『エバー・アフター』
映画と私(27) 『ポストマン』
映画と私(26) 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
映画と私(22) 『宝島』
映画と私(14) 『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』





ロビンフッド 特別編集版 スペシャル・エディション
ワーナー・ホーム・ビデオ
(2005/09/02)
売り上げランキング: 6,805



ロビンフッドの冒険 スペシャル・エディション
ワーナー・ホーム・ビデオ
(2005/09/02)
売り上げランキング: 15,810



ロビンフッド
ロビンフッド
posted with amazlet on 05.11.03
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンター
テイメント (2003/02/21)
売り上げランキング: 19,296



三銃士
三銃士
posted with amazlet on 05.11.03
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンター
テイメント (2005/06/08)
売り上げランキング: 3,177



大英帝国の伝説―アーサー王とロビン・フッド
ステファニー・L. バーチェフスキー
Stephanie L. Barczewski
野崎 嘉信 山本 洋
法政大学出版局 (2005/10)



ロビン=フッドの冒険 少年少女世界文学館 (2)
ハワード・パイル 中野 芳夫
講談社 (1988/07)
売り上げランキング: 444,402



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
漱石「夢十夜」でユメのコラボ…11人の監督が映画 (夕刊フジ) - goo ニュース

 映画関係者のコラボレーションについてはあまりパッとしない。夏目漱石の『夢十夜』が映画化されるというのが、僕にとっては衝撃的だ。

 夏目漱石といえば『こころ』とか『それから』。あるいは『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』というのが一般的なイメージだろうが、近年とみに評価が高くなっていたのが『夢十夜』である。

 漱石が見たという夢を十編にわたって物語る短編集が『夢十夜』である。夢を題材に扱うというだけあって、幻想的で突拍子もない展開が見られる。ここから、漱石の潜在意識を紐解けるという点から、心理学の側面からの研究がなされていたし、幻想的なイメージの広がりに人気が集まっている。

夢十夜



 上記のように、数年前に絵本が刊行されているし、『坊ちゃん』などが教科書から消えるなか、逆に『夢十夜』は高校の現代文の教科書に採択されてもいたように記憶している。

 そんな可能性豊かな作品だからこそ、映画化の企画が決行されることになったのだろうが、どうやら真摯に扱う気はないらしい。

夏目漱石の幻想小説「夢十夜」が、ベテランから若手まで11人の監督(うち一組は共同監督)によってオムニバス映画「ユメ十夜」(日活、来年公開)として撮影が進んでいる。その中の「第六夜」(松尾スズキ監督)では、鎌倉時代の仏師、運慶が現代風のダンサーの衣装で登場し、「キターーー!」「萌え~!」などのセリフを発し、仏像を刻みながら流行のトランスに乗って踊るという奇想天外なミュージカル仕立て。漱石と2ちゃんねら~が“夢のコラボ”!?


 『ユメ十夜』と題するだけあって、現代のサブカルを取り混ぜた作品に仕上がりそうな印象をもつ。まあ、例示されているのは十夜あるうちの一夜だから、速断するにははばかられるが、それでも連想するのは『真夜中の弥次さん喜多さん』である。

 表現の仕方にはいろいろあるから、この動きはそれはそれでまあよいとは思うけれども、もったいないと思う。『夢十夜』の世界を文脈に沿ってイメージを映像化した方が、見どころがあるものになるように思う。エンターテインメントの作品とするよりは、芸術作品として挑戦してもらいたかった。

 そういうわけで、この映画に2000円も払うのははばかられるなあと思いつつ、見には行かないとなあと思うのであった。



■トラックバック送信先
対内言語と、対外言語と!:≪夢十夜≫夏目漱石‐作家の素顔と云える面が垣間見える小品集
おきらくごくらく:夢十夜
365day s:凄く読みたい
kiku's:『夢十夜』の映画化のこと。



■関連リンク
漱石「夢十夜」でユメのコラボ…11人の監督が映画 (夕刊フジ) - goo ニュース

夏目漱石『夢十夜』(青空文庫)



■関連エントリー
社会と私(43) 檸檬と丸善
映画と私(12) 『真夜中の弥次さん喜多さん』





夢十夜
夢十夜
posted with amazlet on 05.11.03
夏目 漱石 金井田 英津子
パロル舎 (1999/03)
売り上げランキング: 82,092



文鳥・夢十夜
文鳥・夢十夜
posted with amazlet on 05.11.03
夏目 漱石
新潮社 (1976/07)
売り上げランキング: 45,514



新・夢十夜
新・夢十夜
posted with amazlet on 05.11.03
芦原 すなお
実業之日本社 (1999/02)






それから
それから
posted with amazlet on 05.11.03
東映 (2005/11/21)
売り上げランキング: 17,709



この記事のトラックバックURL

■『人間喜劇』目次
『人間喜劇』の目次はこちら
COPYRIGHT © 2005 人間喜劇 ALL RIGHTS RESERVED. POWERED BY FC2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。