人間喜劇
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■『人間喜劇』目次
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 先日、TBS深夜放送の『バース・デイ』を見ていた。『ZONE』の血をひく番組で、スポーツに限らないが、主にアスリートの裏側を追っていく番組である。

 今週の特集は、日本一を決めた千葉ロッテマリーンズの初芝清選手だった。先日のマリーンズの裏側の特集を見逃してしまっていたため、同じ失敗は二度繰り返さないように、必至でチェックした。

 感想としては、『バース・デイ』のような番組にかかってしまうと、初芝選手のような人でも、まじめな一選手に作り上げられてしまうのだなというものである。

 この特集では、初芝選手の魅力が全く伝わってこなかったのだ。現役生活で優勝と縁のなかった選手が、引退を発表した後、初の日本一を経験するという物語に仕上がったわけだが、これでは一般的なプロ野球選手の一人として、あまりにも平板な印象しか残らない。

 なぜ初芝選手があんなにも愛されたのか、その魅力を伝えることには完全に失敗しているわけで、真面目な番組の弱点である。



 初芝選手は、パシフィック・リーグびいきである僕としても、思い入れの深い選手である。これを機に、思いを書き留めてみたい。

 マリーンズが本拠地とするのは、千葉マリンスタジアム。海の近くである。潮のにおいが強く、球場に観戦に行って帰る頃にはすっかり肌が潮でベトベトしてしまう球場である。海風が非常に強いのだ。その影響で、フライの打球はふらふらと右往左往しながらポトリと落ちる。

 マリンスタジアムでサードにあがるファールフライを、僕は心待ちにしたものだった。落としても直接的な被害は受けないファールフライである。それがフラフラと上がると、三塁手がドタドタと落下点へと走る。いまどき珍しく、アンダーソックスを黒々と見せて地面を揺らすその背番号は6番。打球が右往左往するのに合わせてあっちへドタドタ。こっちへドタドタ。そして最後にはダイビングキャッチ!を試みるも、必ずフライを落としてしまう。

 このコミカルな動きに初芝選手の魅力は集約されている。マリンスタジアムに来るファンは、サードへのファールフライを心待ちにしているのである。アウトのチャンスをフイにするも憎めない、そんな姿が、「ロッテ」というチームを象徴しているようで、みんな彼に夢中になってしまう。ミスターロッテと呼ばれる由縁である。



 2002年のシーズンだっただろうか。西武ライオンズがペナントレース制覇へ向けてマジック1となった試合。その対戦相手は千葉ロッテマリーンズだった。当時のマリーンズは、胴上げ阻止率100パーセントを誇る素晴らしいチームだった。

 この試合、チームはその実力をいかんなく発揮する。初芝選手が決勝の打点を放ち、9回のマリーンズの守備。マウンドに立つのは勿論守護神小林雅英投手で、ライオンズの胴上げは持ち越し濃厚となっていた。

 ここで平凡なサードゴロが飛ぶ。背番号6番はその何でもないゴロを捕り損ねる失態を犯してしまう。勝敗には関係ないところでエラーをしてくれて、野球というエンターテインメントを存分に堪能させてくれる初芝選手を、人は愛をこめてファンタジスタと呼ぶ。

 勝利打点を放ったので、その日のお立ち台は初芝選手だったわけだが、「最後はやっちゃってすいませんでした」と照れながら笑う初芝選手に、みんなは笑い、一層の親近感をおぼえていた。



 少し真面目な話をしよう。打点王をとったこともある初芝選手なので、その打棒たるやというイメージがあるかもしれない。しかし、粗いバッティングがその本質だったと僕は感じる。弱いチームで過ごしてきただけに、自分の成績を優先する態度が染み付くのは当然のことだと思う。

 そういう姿が発露した場こそ、プレーオフ決勝の対福岡ダイエーホークスの最終戦だと僕は思う。代打で出場した初芝選手は、高めの球に手を出し、ボテボテのゴロが三遊間に飛んだ。運良くホークスのサードショートの交錯を呼び、後続がヒットを打って初芝選手はホームに生還、これが決勝点となって、マリーンズは日本シリーズの切符を手にすることになった。

 『バース・デイ』では、引退を決めた男の勝利への執念が呼んだエラーという具合に描かれていたが、これは美しい物語を試みようとしすぎである。だからこそ、『バース・デイ』は初芝選手を平凡にしか描けずに失敗した。あの打球には、弱いチームで生きてきた選手の悲哀と、ファンに笑いを与え続けてきた選手が呼んだ最後の「笑い」という裏表がかいま見られるのだ。



 惜しむらくは、初芝選手が最後に優勝を経験してしまった点にある。彼の野球人生を考えれば、優勝経験をしたことはよいことではある。しかし、優勝経験をしてしまったことは、「ミスターロッテ」を冠するには何か違和感が出てくるのだ。そういう意味で、「ミスターロッテ」の王道を歩んだのは園川投手だったなあという思いもする。「園川の前に園川なし。園川の後に園川なし。」である。



 初芝選手に寄せる思いは、ファンの一人一人にいろいろなかたちであると思う。関連リンクでご紹介する各記述をご参照いただきたい。間違いないのは、誰もが初芝選手を愛していたということだ。



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ロッテ4連勝、一気に頂点…アジアシリーズ出場へ (読売新聞) - goo ニュース

 千葉ロッテマリーンズ、おめでとうございます。

野球と私(35) マリーンズの底力

 というわけで、僕の淡い期待ははかなくも散ってしまった。もう僕の知っている「ロッテ」ではなくなったのだな。初芝さんも引退するし、一つのチームカラーの終焉なのだろうな。昨年の「近鉄」といい、カラーがなくなってしまうのは本当に残念だが、いたしかたない。

 チームカラーという意味では、替わりにホークスやファイターズががんばりつつあるし、新たな時代を一歩下がって見ているとしよう。

 ということで、パリーグびいきの身としてはこれだけの力の差を見せての勝利は溜飲の下がる思いである。パリーグびいきになってからというもの、「人気のセ、実力のパ」を裏切るような、オールスターや日本シリーズの結果を見せつけられてきたため、二年連続のパリーグ勝利はとても嬉しい。

 いっぽうタイガースは四試合目になって、やっと試合勘を取り戻した感があり、遅きに失してしまった。実力を出し切れないままの結果は悔いが残るだろう。道頓堀騒動が未然に防げたという利点はあったものの、やはり実力伯仲の日本シリーズを見たいというのが本音だ。接戦の中での勝利こそ嬉しさが増すし、面白みもあるはずだ。

 そもそも、両リーグにここまでの実力差はあるまい。調整の難しさや情報戦の妙において、タイガースが不利だったための結果だと感じられる。



 ここにおいて、パリーグが三年連続の日本シリーズ勝利を手にしたことについて、主催者側は問題意識を持つことが必要だと思うのである。

 プレーオフ制度をとるパリーグが、日本シリーズにおいては有利に働くという意識を持つべきだろう。もちろん、プレーオフ制度自体についての是非は賛否両論あるので、手はつけにくいだろう。興行収入の点から考えてみても、簡単に廃止することはできまい。

 であるならば、セリーグ覇者が蒙ることになる日程的な課題をどう減じるかについて、プロ野球機構は何らかの対策をとらねばなるまい。そうしなければ、日本シリーズの価値が減じるし、見ていてもおもしろいものではない。セリーグサイドのファンの不満も募るだろう。

 具体的な対案を思いつかないので、言いっ放しの無責任な批判になってしまうのが心苦しいが、問題を問題として認識し、早めの対策を実行する態度を希望したいところである。

 対策といえば、下記のような批判も出ているようだ。

川淵、球界にイエローカード「チケット分配公平に」 (夕刊フジ) - goo ニュース

 こちらは言わずもがなの問題点。さっさと処理するべきである。



 いろいろと課題の芽が出始めた感がある今年の日本シリーズだったが、それでもマリーンズというチームを変革したバレンタイン監督の手腕は正当に評価されるべきだし、自らを変革した選手たちには拍手を送りたい。おめでとうマリーンズ。



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さいたまblog:【おめでとう日本一】ロッテ対アストロ球団
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ロッテ王手、阪神に3連勝…初の3試合連続2ケタ得点 (読売新聞) - goo ニュース

 今年の日本シリーズ。千葉ロッテマリーンズ対阪神タイガースである。

 悠長に構えていて、まあもう少し先に話題にしようかと思っていたのだが、そんなことも言えなくなり、下手をすれば明日で今シーズンのプロ野球は全て終了である。

 十年前であれば、十二球団の最下位を争うカードである。たけし軍団と対戦して負けたというニュースが駆け回っていた頃だ。瞬間風速的にはそれぞれ中村監督、バレンタイン監督(一期)の際に二位に躍進していたものの、総じて低迷。よくもチームを立て直したものだ。

 さて、マリーンズの様子を見ると、勢いは止められそうにない。シーズン中の勢い自体が凄まじかったし、タイガースにしてみれば、ペナントレースから離れた期間が長く、集中力の点でもマイナス要因がある。しかしながら、これまでの三戦は記録的な大差での試合である。

 しかし僕は、マリーンズの底力に期待したい。

 目前で胴上げは絶対させない。土壇場になれば突然ダメになる。そういうチームカラーこそが「ロッテ」が「ロッテ」たる由縁だろう。バレンタイン監督によってこのチームカラーが払拭されてしまった感があるし、何より僕らの初芝さんが引退してしまうということで、そのあたりが「ロッテ」でなくなってしまったように見受けられるのだが、「ロッテ」の遺伝子を継いでいる選手がいることを信じて「ロッテ」の底力を期待するものである。

 ということで、日本シリーズ、もうちょっと続いてほしいな。。。



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大西 宏のマーケティング・エッセンス:これは情報戦の差としか思えない
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不細工な不ログ:ロッテ王手、阪神に3連勝…初の3試合連続2ケタ得点



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 五年くらい待たされていた感もある規定路線。古田監督論は僕も五年以上前から酒に酔うたびに口にしてきた。このたび正式決定とのことで、まずは古田さんにおめでとうの言葉を言いたい。

古田兼任しかも選手会監督 (スポーツニッポン) - goo ニュース

ヤクルトの次期監督に古田敦也捕手(40)が選手兼任監督として就任することが18日、正式に決まった。プレーイングマネジャー(選手兼任監督)は、77年南海の野村克也氏(70=シダックスGM兼監督)以来29年ぶり。労組選手会会長は退任するが、選手会には残留する意向で、選手会に所属する史上初の監督が誕生した。選手と監督とで別々の契約を結ぶなど、型破りな兼任監督が球界に新風を吹き込む。


 選手兼監督での契約、選手会に残留と、かなりのケースにおいて前例ないことが出てきそうだ。

捕手兼務の古田監督、マウンドに何回行けるの? (読売新聞) - goo ニュース

 野球規則(8・06)は「監督またはコーチが1イニングに同一投手のところへ行ける回数は1回」と定めている。

 一方、セ・リーグのアグリーメント(規約)では「試合スピードアップに関する6球団申し合わせ事項」の中で「バッテリーの打ち合わせで捕手が(単独で)マウンドに行く回数を(1試合で)3回までとする」となっている。つまり、監督と捕手の立場で、マウンドに足を運べる回数が異なってしまうというわけだ。


 こういう問題が今後も出てくるだろうが、良識ある判断をのぞみたいものだ。

 ところで、最初の記事には以下のような言及がある。

ファンサービスの向上も図る。IT関連企業から専門スタッフを招へいし、試合をショーアップ化するプロデュースを委託するほか、インターネットの活用など、ID野球にIT事業をプラス。自らもプロジェクトチームに名を連ねるという。


 これは選手兼監督の業務の逸脱ではないだろうか。

 もちろん古田さんの手腕には期待するところ多いし、その抱いている価値観も共鳴する部分が大きい。だからこうした部分にも言及してくれることはよいことだとも思うのだが、プレイそのものに支障をきたさないか心配でもある。

 選手会をまとめながらプレイしてきた実績を思えば、それも不要とは思うものの、監督業自体は初めてだし、自分自身を選手として客観視し判断し行動することが求められる状況においては、そのストレスは真面目であればあるほどハードだろう。古田さんが選手兼監督をするにあたって唯一心配なのは、この真面目さでもある。

 また、サービス面に関してはあらかじめ責任者がいたことだろう。その担当者が能力があるものでないと、古田さんの目指すチームづくりに支障をきたすのではないかと心配である。



 まあサービス面は本業ではない。いかに選手を育成するか、いかに選手を使いこなすかという点で、古田さんには最も期待するところである。

ヤクルト古田監督、若手コンバートテスト (日刊スポーツ) - goo ニュース

 方針をしっかりと示し、部下に行動させるという点で、上司らしい仕事を早速始めたという感じだ。失敗も評価を下げることにはつながらないと明示する辺りは、きちんと部下の気持ちを慮っているようだ。

 チーム力を上げる施策としてはありきたりであるが、それを着実に積み重ねた結果を見られそうで期待ができる。

 上司にしたい有名人として一躍印象に残ってきた。是非ともがんばってほしいと思う。



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古田敦也公式ブログ:緊急更新

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V35スカイラインクーペが欲しい!:大役をやってくれと言われるのは非常に光栄 古田選手兼任監督誕生!!
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青木 初回に史上2人目200安打達成 (スポーツニッポン) - goo ニュース

 数日前の話になってしまうが、スワローズの青木選手が200本安打を達成した。青木選手にはおめでとうを言いたいし、その努力を推し量ると頭が下がる思いだ。

 ただ、今回のエントリーは、ネガティブな話題だ。僕は、ニュースのVTRで200本目の安打を目にしたのだが、ベイスターズのセカンドの動きを見ていて首をひねった。

 追いつけるのではないか?

 そう、全力のプレーをしていたらヒットを阻止できたのではないかと疑問が残ったのだ。反応しにくいコースにボールは飛んでいたが、球足はさほど速くもないし、ファインプレーでアウトにできる余地は残っていたように感じた。

 しかし、ベイスターズのセカンドは、はじめから球に追いつこうとはせず、申し訳程度に球の方向にゆっくり駆けていっただけだった。

 5年程前の2000年にも、同じようなシーンを見たような気がする。ジャイアンツ対ベイスターズの試合で、ジャイアンツの選手の引退試合。やはりセカンドの方向に球が飛んだが、守るベイスターズのセカンドは緩慢な動きで、ゴロに打ち取れるはずの打球をヒットとして成立させてしまった。

 節目の打席をヒットで終わらせたい、一刻も早くヒットを打たせてあげたいという気持ちからだろうか。これをして喜ぶ選手もいるのだから問題なのだが、こんなことがまかり通っていたら、打者自身の価値が損なわれるだけだ。

 青木選手の場合、ここまで積み重ねた199本のヒットは、実力で打ったもののはずだ。それが節目のヒットとなると、手加減をして打たせてもらったヒットになってしまい、過去の199本のヒットに疑いがかかることになってしまう。

 記録を残させたいという選手の配慮もわかる。特にこれまでの野球界は個人の記録に対して最大限の尊重をする世界だったわけで、そうした文化は深く根ざすものがあるだろう。だが、その記録の価値を貶めるのは緩慢プレーであり、僕はそうしたプレーに対してはビタ一文払う気にはなれない。



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楽天、田尾監督を解任…後任に野村克也氏ら浮上 (読売新聞) - goo ニュース

 ゴールデンイーグルスの田尾監督の解任が決まったらしい。ちっとも金を出さないのに結果だけは求めて、ゼロからのチーム作りの意識が見られない。

 監督業を初めて体験する田尾氏なのだから、もう少し時間を提供するのが筋だろう。お金も時間も与えずに結果を求めるのならば、はじめから敏腕監督を据えるべきだったし、およそビジネスにかかわる人物が行う決断とは思えない。

 そして、後任監督に野村氏の名前がいの一番にあがる点でも首を傾げざるを得ない。ご老体にでてきていただいて、イーグルスをどういったチームにしようと言うのか。ビジョンの見えてこないチーム運営にうんざりである。

 具体的な人選の私案は過去のエントリーを見ていただきたいが、原監督が望み薄となった現状、時間も金もない中で結果も出せてエネルギッシュな監督なんていないだろうな。監督自体を自ら育て上げる気骨がほしいところだが、まあ期待はしない。

 でも野村さんってどうよ。ご老体でも、木内監督や中村順司監督の名前が出てきた方がセンスを感じたのに。あ、でも木内さんはダメか。。。



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 ふと、今年の夏の甲子園を思い出してみると、アルプスで吹奏楽団が演奏する曲が一過性のものじゃなくなってきているんじゃないかと思ったり。

 もちろん、定番は「サウスポー」と「狙い打ち」が君臨している。70年代の曲なのに未だにこれを演奏する高校があるなんてセンスがないなあと思うのだが、野球のキーワードにタイトルがバッチリはまってもいるし、致し方ないという気もする。

 いっぽうで、その時期の流行の曲を演奏するっていうパターンもまだ散見される。野球にも関係なく、試合の雰囲気無視、一過性のものと、センスのなさは度を増す。

 そんな中、一過性じゃないなあと思ったのが何曲かある。

 いま思い出せるものだと、まずはプロレスラー三沢光晴選手のリングテーマ。まあこれは「スパルタンX」でもあるが。なぜ「スパルタンX」なのか、なぜプロレスのテーマを選んだのか、理由が全然思いつかない。けれど、闘争心を煽るという意味では、僕は好感を持つ。

 あと、TMNの「GetWild」。いまの高校生がこれを知っているとはっていう意味で驚きだった。アニメ「シティ・ハンター」のテーマ曲でもあったけど、これもまた見たことあるわけないし、一体どこから持ってきたんだろうか。でも気持ちを乗せやすい曲だと思う。

 そして、「太陽にほえろ」のジーパン刑事のテーマ。というより、パリーグファンにとっては、ライオンズ小関選手の打席に立つ時のテーマ曲。うーん、小関選手とは何と地味なところをチョイスするんだ!確かに松井・小関両選手がライオンズの一、二番だった頃は、このテーマが流れるとき既に松井選手は一塁に出塁しており、小関選手がエンドランで一、三塁にチャンスを広げ、日替わり三番打者を抑えてもカブレラ選手にドゴーーーーーン!!と打たれ、和田選手にドカーンととどめをさされるイメージが強いが。しかしマニアック。

 意外と侮りがたし、最近の高校生。



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駒大苫小牧57年ぶり夏連覇!今年もミラクル北海道 (サンケイスポーツ) - goo ニュース

 今年の甲子園が終わった。一度も敗れることなく夏を終わらせたのは、駒大苫小牧高校。二連覇という偉業を成し遂げたのは称賛に値する。

 特に印象に残るのはキャプテン林選手の野球センス(と、試合展開を予想した、ほぼ日刊ベースボールさん)。80回大会で横浜高校松坂投手に対して四安打を放ったPL学園田中一徳選手を髣髴とさせる野球センスだった。プレッシャーをはねのけての偉業達成は、部員全員の精神力の高さを証明し、いずれも立派である。本当におめでとう。



 けれども、この駒大苫小牧が優勝を決めようとした九回の守備で、僕は甲子園の観客に不快感をおぼえた。

 「あと一球」コールが起こったのである。

 プロ野球のタイガースの試合では「あと一人」「あと一球」のコールはよく見られる。これは、タイガースファンがエンターテインメントとしてのタイガースの野球を楽しみ、タイガースの勝利を期待してコールされるもの。タイガースの選手達はファンからお金をもらって生活しているわけで、彼らはこのコールを受け止めて勝つ必要がある。

 そもそも、選手達にプレッシャーをかけてしまう「あと一球」コールを、僕は快く思っていないのだが、タイガースの場合は上記の理由で許容できる。しかし、高校野球ではさすがに不快感をもつ。

 選手達は観客からお金をもらっているわけでなく、自分達のためにプレーしている。観客は、それを観る機会をもらったにすぎない。試合の内容に口を出す権利はない。「あと一球」コールは越権行為だ。

 この場面、自然発生的に「あと一球」コールが起こるとは思えない。扇動したのは駒大苫小牧応援団と予想される。応援するのはいいが、その手法をいま一度彼らには再考してほしい。



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ほぼ日刊ベースボール:駒大苫小牧 VS 京都外大西
Vivid Association:夏の甲子園も閉幕



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 捕手のサインがよく見えなかった。だから確認しようとした。その瞬間、主審は駆け出しボークを宣告、三塁ランナーがホームに還り、エース藤田修平の二年夏は終わった。何が何だかわけがわからなかった。

 横浜高校松坂大輔が甲子園の大地に伝説を残した第八十回大会、山口県代表校は宇部商業。そのマウンドには二年生のエース藤田が立ち続けた。

 二回戦の愛知県代表豊田大谷戦、やはり藤田はマウンドに登り続けていた。大会屈指のパワーヒッター古木(現ベイスターズ)を抑えながらも、優劣はつかず、延長戦を戦う。

 この大会では横浜対PL学園の延長17回が印象深いが、この延長も15回を数えている。

 2-2の延長15回裏に何が起こったのか。エラーなどもあり、無死満塁の絶体絶命の場面となる。球数は210球を数えていた。疲労、暑さ、どこかに忍び込んだ気の緩み。セットポジションを取ろうとしたときに、ふいにキャッチャーのサインが変わった気がして、上げかけた腕を元に戻した。

 林球審の反応は早く、すかさずボークが宣告された。

 呆然とした表情の藤田。時間が経つうちに、三年生の夏を自分のミスで終わらせてしまったことにとめどない悔いが襲ってくる。

 けれども、誰も藤田を責めたりはしない。甲子園に来れたのは藤田のおかげ。延長十五回、二百球以上の投球でマウンドを守ってくれたのは誰でもない藤田だ。三年生は藤田にこう声をかけた。気にするな。来年の夏、また甲子園に行ってくれよ。

西日本新聞 西スポ50周年企画 アマ列伝
高校野球新世紀・第3部 名勝負数え歌



 いままさに2005年の甲子園の覇者が決まろうとしているのに、なぜ八年も前の記憶を書き出した(上記の文は自作である。参考は上記リンク先。敬称略をご寛恕いただきたい。)のか。宇部商業のエース好永投手に、八年前の宇部商業エース藤田投手の悲哀が重なったからである。

 好永投手も地方大会から準決勝まで、一人で投げきってきたという。好永投手の力でベスト4まで勝ち残ることができた。しかし、連投で蓄積する疲労。照りつける日差し、特に甲子園のマウンド上は40度にのぼるという。

 相手もここまで勝ち残ってきた実力者、得点を重ねられていく。シーソーゲームを続けるなか、それでもリードして迎えることができた九回表のマウンド。あと三人で決勝戦。そこに忍び込んだのは疲労だったのか、体力の消耗だったのか、それとも。。。

 ノーアウト一、三塁のピンチを迎えてしまうも、ピッチャーゴロを打たせて三塁ランナーを三本間にはさむ。確実にアウトにして、ワンアウト一、二塁に場面は変わるはずだった。

 しかし好永投手は、三塁ランナーを追い詰めきれず、三塁に帰塁させてしまう。呆然となったところに、バッターランナーが一塁を飛び出しているところが目に入った。普段の練習ならば、無理をせずに刺そうとはするまい。

 しかし好永投手はファーストに送球する。しかしそれはファーストの頭を大きく超えた暴投だった。二者生還で逆転を許してしまう。結局この回四失点。九回裏に得点を入れるも力尽き、宇部商業の夏は終わる。

 しかしながら、エース好永貴雄投手は最後までマウンドを守り抜いた。この日164球。

京都外大西が初の決勝へ、粘る宇部商を振り切る (読売新聞) - goo ニュース



 九回表、164球を投げ抜き、ベンチへと帰る好永投手に対しては、八年前のあの日と同じ拍手が贈られていた。

 二人のエースに通じるもの、宇部商業のマウンドを一人で守り抜き、チームを引っ張っていったこと。それがもたらした疲労、体力の消耗、そして気の緩み。「たられば」が頭をよぎってしまう苦い記憶。。。。

 甲子園は時に複雑な感情を僕にもたらす。でも、僕は何年経っても彼らを忘れない。



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しみじみ地味日記:悪送球



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 スコアを見れば、僕の懸念があたったかたちだ。接戦を経験していないことが大阪桐蔭の弱みだと。。。

 でも、僕が意図したのは辻内投手の精神面の弱さによる崩れだったが、この試合はそうではなかった。むしろ打線の修羅場経験不足と受け取れる。



 十回表、辻内投手は長打を二本許してしまった。この点は、甘さともとれる。が、6-5と勝ち越しを許してなおもワンアウト二塁のピンチで四番本間選手を三振にうちとる。

 続く五番岡山選手につまった当たりでレフト前ヒットを許すものの、篠原選手の好返球で、二塁ランナーをホームでタッチアウトに。この好プレーは素晴らしかった。

 全体的に立ち上がりが悪くて序盤で大量五得点を許し、完全に試合の主導権を握られてしまうも、後半は鬼気迫る投球で追随を許さず、圧巻だった。十回の守備にしても、責めるべきものはないように思う。



 残念なのは打線だった。好プレーをした篠原選手が十回裏の先頭バッターだったのだが、レフトフライに倒れてしまう。流れを呼び寄せられないのは、経験不足のように感じられた。それでも続く謝敷選手が出塁する。しかし、三番小林選手はライトフライで進塁打を打てない。。。

 迎えた四番平田選手も、この日は全く当たりが出ていない。打席中にバッテリーエラーでランナーが得点圏に進む。このあと、外角に投げ込まれたボールを平田選手はファールにするが、この時点でフォームがバラバラだった。体の開きがはやく、緊張が伝わった。結局、この打席二球目にボールと判定された球と同じコースに投げられた四球目に反応してしまい、空振りをとられて三振。あっけない最後だった。

 相手は流れを放しかけているのに、それをものにできない十回裏の攻撃は、チームとして経験不足なのだろうと感じた。強いからこその両刃の剣。。。



 ただ、残念な結果で悔いも残るものの、それでも名試合だった。前述のように辻内投手の投球は後半素晴らしかった。打線も最後は力尽きたものの、五点差をよく追いついたと思う。何より、これまでの試合で見せてくれたプレーの数々は印象深いものばかりだ。これまでの試合の数々だけでも充分満足している。ありがとう、大阪桐蔭高校。



 蛇足であるが個人的な悔いは、母校以外の校歌を歌えるようになれなかったことである。PL学園は歌えるんだけどなあ。。。



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